狂気の笑みを漏らすエウリデ王。どうみてもまともじゃなくなってるけど、さてこれはどういうんだろうね?
この神とやらをどうこうするうちにこうなったのか、こうなっちゃったからこの化物をどうこうしたのか。卵が先が鶏が先か? ……ちょっと違うか。
ともかく今はこんな頭のおかしいおっさんに気を取られてる場合じゃない。どうにかこのタイミングでコイツを仕留めないと、下手に逃しでもしたら話がややこしくなるし何より、犠牲が大きくなる。
だから僕はこみ上げる不快感、苛立ちを込めて国王を罵倒するだけに留めた。本来なら殴り飛ばしているものを、言葉だけで済ませてやったんだ。
「まったく……馬鹿がトチ狂って!!」
『ヴ────』
「コイツを仕留めたら次はアンタだ、国王! ここまでのことをしておいて、ただで済まされると思うな!」
負け惜しみとでも思ったのか、なおもニヤニヤするエウリデ王。ムカつくー、あれ絶対に僕が勝てると思ってない笑顔だよー。
これはなんとしてでも証明しないといけなくなったね、こんな神って名前をしてるだけのモンスター、僕にかかればなんとでもなるってさ!
それきり僕は狂気の王から注意を外し、眼前の化物に向き直った。
やつは未だ現在、何発も何発も殴ったのにぴんしゃんしてくれちゃってる。これは、やっぱり今のままじゃ押しきれないなー。
何より場所も悪い、こんな穴だらけの場所でこんなの相手にしてられないよ。
総合的に判断して僕はすぐさま敵の懐に潜り込んだ。パンチを打ち上げれば上手いこと吹き飛ばせるポジションにて、小さく話しかけるようにつぶやく。
「ここじゃ狭い……表に出るよ」
『ウオアアアアアアアアアアアアアアッ!?』
「…………ぶっ飛ばされろってんだよー!!」
瞬間、渾身の一撃!
万力込めた握り拳、まっすぐに化物を真正面からぶち抜く! 衝撃はダメージこそ与えられないだろうけど、物理法則までは無視できないのはさっきから度々殴り飛ばしていることから確認済みだよー!
『ヴァッ!?』
「もういっぱーつっ!!」
思い切り殴り飛ばせば壁まで吹き飛ばされる化物。そのまま追撃で接近してもう一発殴り飛ばせば、壁ごとぶち抜いて城の外に叩き出すことができた。
当然僕もぶっ壊れた壁から外へ飛び降りる。謁見の間は王城の3階にあって、当然そこから飛び降りる形になるためかなり高い。
『ウァァアアッ!?』
「この高度、利用しない手はないんだよー!」
落ちながらもモンスターに肉薄する。普通に殴っても壁に叩きつけても駄目なら、大地に叩きつけてやる!
敵も何かしら触手? だか爪? だかをこちらに向けて飛ばしてくるけどとにかく遅い、食らってやれるかそんなもの。
余裕で回避してさらに至近距離に潜り込み、さらに数発拳を叩き込む!
上からの力で思い切り下へ殴り飛ばされる、その先は庭園──衛兵達もそれなりにいる場所は避けて誰もいない、硬い土の上だ!!
「なにっ!?」
「なんだあっ!?」
急に城の壁が崩れて中からモンスターが出てきて、あまつさえついさっき通した冒険者が肉薄して殴りつけては庭園に叩き落したんだ。そりゃビックリするよね。
轟音、衝撃。それらに驚愕して硬直する衛兵達はさておき、神モドキは地面に叩きつけられた。僕もすぐ近くに落着する。
『ヴォア、ウォアアアアアア────』
「よっと! 杭打ちくん……は、さすがに遠いか」
効いてるんだかいないんだか、微妙な呻きをあげる化物はさておき位置取りを確認する。王城は正門からずいぶん離れてるね。
戦闘の中で杭打ちくんを取りに行くってなると結構な手間を食いそうだけど、さてどうするか。僕一人で殺し切るなら杭打ちくんは必須だけど、ぶっちゃけ今回、援軍を大いに期待してたりもするよー。
さしあたってはリューゼだね。あいつがこの場に来てくれれば一旦押し付けて、僕は杭打ちくんを取りに行ける。わざわざ戦いながら移動するなんて珍妙な真似をする必要もないんだし、そりゃそっちのが良いよねー。
ただ、アイツが今どこにいるのかってのがこの場合ネックになる。地下にも当然人の気配はいくつもあるけど、どれが誰かまではわからないからね。
もうすでに地下にいてこっちに戻ってくるか、あるいは今から外野からこっちに来るのか。
その判別がつかないうちは、なかなか大胆な真似をしづらいってのはあった。
「仕方ない、しばらくこのままいなすか……ねえ、兵士さん達」
「ひいっ!? な、なな何者だ!!」
「ただの冒険者。それより一つ聞きたいんだけど、こいつ知ってる?」
と、その前に近くに来て剣を構えてこちらを伺う衛兵に尋ねる。単刀直入に、この眼の前のナニカを知ってるのかどうか。
早い話、知ってたら彼らも敵かもしれないから対応する。知らなかったらまあ、ひとまず中立とみなして逃がす。
軽い口調だけど結構重要な質問だよー。さあ、どう答えるかなー?
この神とやらをどうこうするうちにこうなったのか、こうなっちゃったからこの化物をどうこうしたのか。卵が先が鶏が先か? ……ちょっと違うか。
ともかく今はこんな頭のおかしいおっさんに気を取られてる場合じゃない。どうにかこのタイミングでコイツを仕留めないと、下手に逃しでもしたら話がややこしくなるし何より、犠牲が大きくなる。
だから僕はこみ上げる不快感、苛立ちを込めて国王を罵倒するだけに留めた。本来なら殴り飛ばしているものを、言葉だけで済ませてやったんだ。
「まったく……馬鹿がトチ狂って!!」
『ヴ────』
「コイツを仕留めたら次はアンタだ、国王! ここまでのことをしておいて、ただで済まされると思うな!」
負け惜しみとでも思ったのか、なおもニヤニヤするエウリデ王。ムカつくー、あれ絶対に僕が勝てると思ってない笑顔だよー。
これはなんとしてでも証明しないといけなくなったね、こんな神って名前をしてるだけのモンスター、僕にかかればなんとでもなるってさ!
それきり僕は狂気の王から注意を外し、眼前の化物に向き直った。
やつは未だ現在、何発も何発も殴ったのにぴんしゃんしてくれちゃってる。これは、やっぱり今のままじゃ押しきれないなー。
何より場所も悪い、こんな穴だらけの場所でこんなの相手にしてられないよ。
総合的に判断して僕はすぐさま敵の懐に潜り込んだ。パンチを打ち上げれば上手いこと吹き飛ばせるポジションにて、小さく話しかけるようにつぶやく。
「ここじゃ狭い……表に出るよ」
『ウオアアアアアアアアアアアアアアッ!?』
「…………ぶっ飛ばされろってんだよー!!」
瞬間、渾身の一撃!
万力込めた握り拳、まっすぐに化物を真正面からぶち抜く! 衝撃はダメージこそ与えられないだろうけど、物理法則までは無視できないのはさっきから度々殴り飛ばしていることから確認済みだよー!
『ヴァッ!?』
「もういっぱーつっ!!」
思い切り殴り飛ばせば壁まで吹き飛ばされる化物。そのまま追撃で接近してもう一発殴り飛ばせば、壁ごとぶち抜いて城の外に叩き出すことができた。
当然僕もぶっ壊れた壁から外へ飛び降りる。謁見の間は王城の3階にあって、当然そこから飛び降りる形になるためかなり高い。
『ウァァアアッ!?』
「この高度、利用しない手はないんだよー!」
落ちながらもモンスターに肉薄する。普通に殴っても壁に叩きつけても駄目なら、大地に叩きつけてやる!
敵も何かしら触手? だか爪? だかをこちらに向けて飛ばしてくるけどとにかく遅い、食らってやれるかそんなもの。
余裕で回避してさらに至近距離に潜り込み、さらに数発拳を叩き込む!
上からの力で思い切り下へ殴り飛ばされる、その先は庭園──衛兵達もそれなりにいる場所は避けて誰もいない、硬い土の上だ!!
「なにっ!?」
「なんだあっ!?」
急に城の壁が崩れて中からモンスターが出てきて、あまつさえついさっき通した冒険者が肉薄して殴りつけては庭園に叩き落したんだ。そりゃビックリするよね。
轟音、衝撃。それらに驚愕して硬直する衛兵達はさておき、神モドキは地面に叩きつけられた。僕もすぐ近くに落着する。
『ヴォア、ウォアアアアアア────』
「よっと! 杭打ちくん……は、さすがに遠いか」
効いてるんだかいないんだか、微妙な呻きをあげる化物はさておき位置取りを確認する。王城は正門からずいぶん離れてるね。
戦闘の中で杭打ちくんを取りに行くってなると結構な手間を食いそうだけど、さてどうするか。僕一人で殺し切るなら杭打ちくんは必須だけど、ぶっちゃけ今回、援軍を大いに期待してたりもするよー。
さしあたってはリューゼだね。あいつがこの場に来てくれれば一旦押し付けて、僕は杭打ちくんを取りに行ける。わざわざ戦いながら移動するなんて珍妙な真似をする必要もないんだし、そりゃそっちのが良いよねー。
ただ、アイツが今どこにいるのかってのがこの場合ネックになる。地下にも当然人の気配はいくつもあるけど、どれが誰かまではわからないからね。
もうすでに地下にいてこっちに戻ってくるか、あるいは今から外野からこっちに来るのか。
その判別がつかないうちは、なかなか大胆な真似をしづらいってのはあった。
「仕方ない、しばらくこのままいなすか……ねえ、兵士さん達」
「ひいっ!? な、なな何者だ!!」
「ただの冒険者。それより一つ聞きたいんだけど、こいつ知ってる?」
と、その前に近くに来て剣を構えてこちらを伺う衛兵に尋ねる。単刀直入に、この眼の前のナニカを知ってるのかどうか。
早い話、知ってたら彼らも敵かもしれないから対応する。知らなかったらまあ、ひとまず中立とみなして逃がす。
軽い口調だけど結構重要な質問だよー。さあ、どう答えるかなー?