「っつーか誰だこいつら。こいつらもアレか、新世界旅団のメンツか? まさかシアンとやらはこの中にいやがんのか」
僕らと無事、合流できたレオンくん達を見てリューゼが改めて言った。彼らも新世界旅団のメンバーなのかと思ってるみたいだけど違うよー、単なる知り合いだよー。
ただでさえ2mを超える長身に、それ以上の丈のザンバーを担ぐリューゼリアにひと睨みされては新人冒険者じゃ太刀打ちしようもない。
可哀想にマナちゃんやノノさんは震え上がっちゃって、声を絞ってどうにか弁明するのが精一杯みたい。
「ぴぇっ!? ご、ごごご誤解ですすすぅぅぅ」
「わ、私達はギルドからの依頼で新世界旅団と一緒にミシェルさんを探していた、新人パーティー・煌めけよ光です!」
「…………アァ、ジジイのほうの使い走りか。そりゃ御苦労なこったな」
新世界旅団と関係ない上にベルアニーさんからの使いと聞けば、リューゼもバツが悪そうにそっぽを向いた。弱い者いじめみたいな構図になっちゃってるの、気にしてるみたいだね。
ホッと息をつく二人。ヤミくんとヒカリちゃんについては僕の傍にいるから平気だ。まあこの子達まで睨むようなリューゼじゃなし、睨んでたら僕がただじゃ済まさないしね。
ただ、そうしたリューゼの威圧さえ受け止める新人がこの場に一人いた。
やや震えて足を竦ませながらも、強い光を宿した瞳でまっすぐにリューゼリアを見据える青年。
煌めけよ光のリーダー、レオンくんだね。
「お、俺がリーダーのレオン・アルステラ・マルキゴスです! よろしくお願いしまァすっ!!」
「……なかなか良い威勢じゃねぇか坊主。ペーペーにしちゃ堂々としてやがるな。それにその名前は貴族か、冒険者になるたァ珍しい」
「はい! 俺は後継ぎじゃないんで、だったら冒険者として名を上げたいって思ってるんで! レジェンダリーセブンにだっていつかは肩を並べてみせますっ!!」
「ほぉ」
新人でここまで普通に威圧をレジストしてくるなんて予想外なのか、少しばかり面白そうに口元を歪めるリューゼ。
そうなんだよ、面白いだろ? 彼、レオンくんは僕だって一目置いているんだ。シアンさんにも並ぶかもしれないってほどの可能性の持ち主だと、思える心の強さがすでにあるんだよー。
そしてレオンくん、案の定貴族だったかー。察するに三男坊とかそれ以下の、家の後継ぎにはなれないくらいの位置づけのお坊ちゃんなんだろうねー。
レジェンダリーセブンにも肩を並べる、なんてなかなかの大言壮語だけど、僕は彼ならいずれ本当にそうなれそうな気がしてたりするよ。
なんていうか、うまいこと行けば英雄になれそうな面構えしてるんだよねー。
リューゼもそれを感じ取っているのか、ますます笑みが深まっている。特に彼みたいな、物怖じせずに突っ込んでいくタイプはあいつからしても好みだろうしね。
長身のレオンくんよりなお頭5つ分くらい大きな巨躯が、彼の肩を力強く叩く。
痛がる彼にも構うことなく、リューゼは豪快に笑って言った。
「ガキが一丁前に良い目ェしてらァ。気に入ったぜ坊主、オレ様が率いる戦慄の群狼に──」
「勧誘するならちょいと待つでござるよ冒険令嬢。レオン殿達にはうちの杭打ち殿が先に目をつけてたのでござるが?」
気に入ったからって速攻、勧誘かけていったよこいつ。まるで後先を考えてない即断即決ぶりだ、こういうところは相変わらずだよー。
そしてそれに反射に近い形でサクラさんが横槍を入れた。僕を引き合いに出してリューゼを止めてるけど、別に僕は勧誘目的でレオンくん達に注目してたってわけでもないんだけどなー……
著しく誤解がありそうな気がするよ、僕とサクラさんの間ですら。
後で一応、認識を共有しとかないとなーって思っていると、リューゼが怪訝そうに僕を見てくる。こいつ普通に見てくるだけで眼力すごいから怖いよー。
傍から見たら睨みつけてるも同然の目つきで、彼女はそのまま尋ねてきた。
「はぁ? そーなのかよソウマァ」
「……まあ、目をつけるっていうか見どころあるなとは思ってたよ。彼らには彼らの冒険があるんだから、変に囲い込むつもりもないけどね」
「ほーん。じゃあオレ様が横からしゃしゃるのも野暮かねェ……調査戦隊が解散してからも、この町はそれなりに冒険者に恵まれてるみてーだな」
「調査戦隊のメイン活動拠点だった時点である種の聖地化してるからねーここは。他所からもたくさん人が来てるよ、この数年間は」
レオンくん達に限らず、今やこの町近辺は冒険者にとっては憧れの大都会みたいな感じらしいからねー。
たくさんの冒険者達が方々から来るし、そうなると将来有望な新人や若手だって結構な数いるわけだ。
つまりは冒険者の集う聖地なんだね、エウリデにあるこの町は。調査戦隊の存在が発端だけど、そのうち新世界旅団の存在も聖地化に拍車をかけるはずだよー。
そう言うとリューゼは鼻で笑い、調査戦隊はともかく新世界旅団はどうだかなとか言うのだった。
僕らと無事、合流できたレオンくん達を見てリューゼが改めて言った。彼らも新世界旅団のメンバーなのかと思ってるみたいだけど違うよー、単なる知り合いだよー。
ただでさえ2mを超える長身に、それ以上の丈のザンバーを担ぐリューゼリアにひと睨みされては新人冒険者じゃ太刀打ちしようもない。
可哀想にマナちゃんやノノさんは震え上がっちゃって、声を絞ってどうにか弁明するのが精一杯みたい。
「ぴぇっ!? ご、ごごご誤解ですすすぅぅぅ」
「わ、私達はギルドからの依頼で新世界旅団と一緒にミシェルさんを探していた、新人パーティー・煌めけよ光です!」
「…………アァ、ジジイのほうの使い走りか。そりゃ御苦労なこったな」
新世界旅団と関係ない上にベルアニーさんからの使いと聞けば、リューゼもバツが悪そうにそっぽを向いた。弱い者いじめみたいな構図になっちゃってるの、気にしてるみたいだね。
ホッと息をつく二人。ヤミくんとヒカリちゃんについては僕の傍にいるから平気だ。まあこの子達まで睨むようなリューゼじゃなし、睨んでたら僕がただじゃ済まさないしね。
ただ、そうしたリューゼの威圧さえ受け止める新人がこの場に一人いた。
やや震えて足を竦ませながらも、強い光を宿した瞳でまっすぐにリューゼリアを見据える青年。
煌めけよ光のリーダー、レオンくんだね。
「お、俺がリーダーのレオン・アルステラ・マルキゴスです! よろしくお願いしまァすっ!!」
「……なかなか良い威勢じゃねぇか坊主。ペーペーにしちゃ堂々としてやがるな。それにその名前は貴族か、冒険者になるたァ珍しい」
「はい! 俺は後継ぎじゃないんで、だったら冒険者として名を上げたいって思ってるんで! レジェンダリーセブンにだっていつかは肩を並べてみせますっ!!」
「ほぉ」
新人でここまで普通に威圧をレジストしてくるなんて予想外なのか、少しばかり面白そうに口元を歪めるリューゼ。
そうなんだよ、面白いだろ? 彼、レオンくんは僕だって一目置いているんだ。シアンさんにも並ぶかもしれないってほどの可能性の持ち主だと、思える心の強さがすでにあるんだよー。
そしてレオンくん、案の定貴族だったかー。察するに三男坊とかそれ以下の、家の後継ぎにはなれないくらいの位置づけのお坊ちゃんなんだろうねー。
レジェンダリーセブンにも肩を並べる、なんてなかなかの大言壮語だけど、僕は彼ならいずれ本当にそうなれそうな気がしてたりするよ。
なんていうか、うまいこと行けば英雄になれそうな面構えしてるんだよねー。
リューゼもそれを感じ取っているのか、ますます笑みが深まっている。特に彼みたいな、物怖じせずに突っ込んでいくタイプはあいつからしても好みだろうしね。
長身のレオンくんよりなお頭5つ分くらい大きな巨躯が、彼の肩を力強く叩く。
痛がる彼にも構うことなく、リューゼは豪快に笑って言った。
「ガキが一丁前に良い目ェしてらァ。気に入ったぜ坊主、オレ様が率いる戦慄の群狼に──」
「勧誘するならちょいと待つでござるよ冒険令嬢。レオン殿達にはうちの杭打ち殿が先に目をつけてたのでござるが?」
気に入ったからって速攻、勧誘かけていったよこいつ。まるで後先を考えてない即断即決ぶりだ、こういうところは相変わらずだよー。
そしてそれに反射に近い形でサクラさんが横槍を入れた。僕を引き合いに出してリューゼを止めてるけど、別に僕は勧誘目的でレオンくん達に注目してたってわけでもないんだけどなー……
著しく誤解がありそうな気がするよ、僕とサクラさんの間ですら。
後で一応、認識を共有しとかないとなーって思っていると、リューゼが怪訝そうに僕を見てくる。こいつ普通に見てくるだけで眼力すごいから怖いよー。
傍から見たら睨みつけてるも同然の目つきで、彼女はそのまま尋ねてきた。
「はぁ? そーなのかよソウマァ」
「……まあ、目をつけるっていうか見どころあるなとは思ってたよ。彼らには彼らの冒険があるんだから、変に囲い込むつもりもないけどね」
「ほーん。じゃあオレ様が横からしゃしゃるのも野暮かねェ……調査戦隊が解散してからも、この町はそれなりに冒険者に恵まれてるみてーだな」
「調査戦隊のメイン活動拠点だった時点である種の聖地化してるからねーここは。他所からもたくさん人が来てるよ、この数年間は」
レオンくん達に限らず、今やこの町近辺は冒険者にとっては憧れの大都会みたいな感じらしいからねー。
たくさんの冒険者達が方々から来るし、そうなると将来有望な新人や若手だって結構な数いるわけだ。
つまりは冒険者の集う聖地なんだね、エウリデにあるこの町は。調査戦隊の存在が発端だけど、そのうち新世界旅団の存在も聖地化に拍車をかけるはずだよー。
そう言うとリューゼは鼻で笑い、調査戦隊はともかく新世界旅団はどうだかなとか言うのだった。