「ガルシアの仲間でござるかっ、貴様ら!!」
「つるんでいた厄介な連中とは、あなた方のことですかっ!!」
襲撃してきた連中に、すぐさま動いたのは僕だけではない。サクラさんにシアンさんもまた、各々の武器を抜きつつ臨戦態勢に入っていた。
とりわけサクラさんの動きはすさまじい。即座にカタナを抜き放ち、ガルシアさんを確保して退散しようとしていた男の退路を塞ぎつつ、その白刃を振るったのだ。
僕相手に戦力の大半を差し向けているこの状況。僕の加勢に入ってもおかしくはないし、実際にシアンさんは剣を抜いてそうしようとしてくれている──ただ別の者の横槍をくらい、そっちはそっちで一対一の状況に持ち込まれている──けど。
サクラさんはそこで当初の目的をまっすぐに見据えていた。ガルシアさんに落とし前をつけさせるというところを念頭に置いて、彼を確保して退散しようとする輩を真っ先に狙うべきと動いたのだ。
「ソウマ殿! 足止めよろしくー!」
「はいはい、任せてー!」
こういう時、やっぱり仲間ってのはいいよねー……打てば響く鐘のように、お互いの意図を即座に察して動き合うやり取り。
かつて調査戦隊にいた時を思い出してちょっぴり懐かしいっていうかセンチメンタルになるよー。でもそれ以上に今、新世界旅団という新天地で新しい仲間達とともにいられることへの喜びと期待、つまりはワクワクがある。
僕はひとりじゃない、そのことが嬉しい!
滾る想いに身を任せるように、眼前の敵へと向き直る!
「三人がかりだからって舐めてたりしないかい──?」
「貴様、杭打ちっ!!」
「素手でも刃向かうかっ!!」
「────ははっ」
素手でも、なんて見当外れなことを言うね。
どんな時でも場合でも、お前らみたいな相手じゃ僕は必ず歯向かうんだよ!
「死ねぇっ!!」
「死んでやれないね、こんなんじゃとても!」
目を見開いて自然と浮かぶ笑み。楽しくて仕方ない、こういうのも意外と僕の好みなんだよー。
一斉に迫りくる敵3人の刺突。一本は顔、一本は首、そして一本は胸へと狙いを定めた、同時三連撃を迎え撃つ。まあまあの速さと狙いだけど僕相手にはまるで足りない、精々Dランク程度の技ってところかな?
仮にも調査戦隊中枢メンバーと肩を並べた、僕相手には通じやしない。僕は足を開いて右足の指先、親指に力を込めてそこを軸とした。
体重移動によりスムーズに体勢を変えつつの縦軸回転。敵の剣閃を完全に視認して3撃ともにギリギリで避け、同時に振るった右フックで右側の男の脇腹を強打する。
「がぐげっ!?」
「……2人目」
さすがに殺すのもまずいので加減はしたけど、それでも肋骨の3本4本はぐちゃぐちゃだろう。先にアッパーで沈めたやつも踏まえて二人目が倒れ伏す。後で法術で治療してもらうといいよ。
間髪入れずその、倒れた男を避けて通るようにステップ。次の獲物の背後に移動する──一瞬。すべてが一瞬の動きだ。敵が仕掛けてきてから3秒だって経過してないほどの時間のうちに、濃密なまでの行動を連続して行う。
つまりは残る二人も未だ、刺突を放った状態から体勢を取り戻せてないってわけだねー。隙だらけで煮るなり焼くなり好き放題だよー。
さらに言えば動いた先、僕が座っていたソファの側には一応持ってきていた相棒、杭打ちくん3号がすぐ近くにあって。
お誂え向きだと僕は右手を伸ばして取っ手を掴み、引き寄せ気味に隙だらけの背中2つを、巻き込むように腕を振るった!
「……よいしょー!」
「あぐげぁっ!?」
「げぼるぉあっ!!」
本気でやるとミンチが出来上がっちゃうので、殴りつけるというよりはこう、押し退けるような感覚でぐいーっと杭打ちくんで薙ぎ払う。
さすがに家一軒より重いからねー、まとめてぶっ飛ばされて壁に叩きつけられ、そのまま気を失っちゃったよ二人とも。
杭打ちくんを持ったまま中に入っても問題ないくらい、頑丈に建てられた家だったのが運が悪かったねー。
さて、僕に向かってきたのは4人全員仕留めたよ。
シアンさんは、と──お、決着間際だね、あっちもー。
「はぁっ! でやぁぁぁっ!!」
「ぐぁ、あっ!?」
ショートソードで敵の攻撃を受け流し、同時に側面に回り込みつつ胴を薙ぐ。滑らかで淀みない素晴らしい動きでの攻撃だ。
何より迷いも恐れもないのがいいねー。踏み込みがこれまでの慎重なものに大胆さが混じってちょうどいい塩梅だよー。
リンダ先輩との戦いで開眼した勇気、ちゃんと身につけて戦えてるんだからすごいよ。サクラさんのやり口は過激だったけど、結果的に見事にシアンさんを一足飛びで一段強くできたんだもんね。
見事に敵を倒した彼女が駆け寄ってくる。カリスマもあってか新人とは思えない風格を醸し出してきている彼女は、けれど新人らしい焦りをもって僕に話しかけてきた。
「ソウマくん、大丈夫ですか!?」
「全然問題ないですよ、シアンさん。よゆーってやつですー」
まずは4人もの不逞の輩に襲われた僕を気遣ってくれるんだから、優しいよー! 惚れるよ、惚れちゃうよ、もう惚れてた!
素敵な初代初恋さんにえへへと笑いつつVサイン。
さすがですねと褒めてくれる彼女にいいとこ見せちゃったー! なんてはしゃぎつつも、僕は並んでサクラさんのほうを見る。
あっちはあっちで、何やら激戦の様相を繰り広げていた。
「つるんでいた厄介な連中とは、あなた方のことですかっ!!」
襲撃してきた連中に、すぐさま動いたのは僕だけではない。サクラさんにシアンさんもまた、各々の武器を抜きつつ臨戦態勢に入っていた。
とりわけサクラさんの動きはすさまじい。即座にカタナを抜き放ち、ガルシアさんを確保して退散しようとしていた男の退路を塞ぎつつ、その白刃を振るったのだ。
僕相手に戦力の大半を差し向けているこの状況。僕の加勢に入ってもおかしくはないし、実際にシアンさんは剣を抜いてそうしようとしてくれている──ただ別の者の横槍をくらい、そっちはそっちで一対一の状況に持ち込まれている──けど。
サクラさんはそこで当初の目的をまっすぐに見据えていた。ガルシアさんに落とし前をつけさせるというところを念頭に置いて、彼を確保して退散しようとする輩を真っ先に狙うべきと動いたのだ。
「ソウマ殿! 足止めよろしくー!」
「はいはい、任せてー!」
こういう時、やっぱり仲間ってのはいいよねー……打てば響く鐘のように、お互いの意図を即座に察して動き合うやり取り。
かつて調査戦隊にいた時を思い出してちょっぴり懐かしいっていうかセンチメンタルになるよー。でもそれ以上に今、新世界旅団という新天地で新しい仲間達とともにいられることへの喜びと期待、つまりはワクワクがある。
僕はひとりじゃない、そのことが嬉しい!
滾る想いに身を任せるように、眼前の敵へと向き直る!
「三人がかりだからって舐めてたりしないかい──?」
「貴様、杭打ちっ!!」
「素手でも刃向かうかっ!!」
「────ははっ」
素手でも、なんて見当外れなことを言うね。
どんな時でも場合でも、お前らみたいな相手じゃ僕は必ず歯向かうんだよ!
「死ねぇっ!!」
「死んでやれないね、こんなんじゃとても!」
目を見開いて自然と浮かぶ笑み。楽しくて仕方ない、こういうのも意外と僕の好みなんだよー。
一斉に迫りくる敵3人の刺突。一本は顔、一本は首、そして一本は胸へと狙いを定めた、同時三連撃を迎え撃つ。まあまあの速さと狙いだけど僕相手にはまるで足りない、精々Dランク程度の技ってところかな?
仮にも調査戦隊中枢メンバーと肩を並べた、僕相手には通じやしない。僕は足を開いて右足の指先、親指に力を込めてそこを軸とした。
体重移動によりスムーズに体勢を変えつつの縦軸回転。敵の剣閃を完全に視認して3撃ともにギリギリで避け、同時に振るった右フックで右側の男の脇腹を強打する。
「がぐげっ!?」
「……2人目」
さすがに殺すのもまずいので加減はしたけど、それでも肋骨の3本4本はぐちゃぐちゃだろう。先にアッパーで沈めたやつも踏まえて二人目が倒れ伏す。後で法術で治療してもらうといいよ。
間髪入れずその、倒れた男を避けて通るようにステップ。次の獲物の背後に移動する──一瞬。すべてが一瞬の動きだ。敵が仕掛けてきてから3秒だって経過してないほどの時間のうちに、濃密なまでの行動を連続して行う。
つまりは残る二人も未だ、刺突を放った状態から体勢を取り戻せてないってわけだねー。隙だらけで煮るなり焼くなり好き放題だよー。
さらに言えば動いた先、僕が座っていたソファの側には一応持ってきていた相棒、杭打ちくん3号がすぐ近くにあって。
お誂え向きだと僕は右手を伸ばして取っ手を掴み、引き寄せ気味に隙だらけの背中2つを、巻き込むように腕を振るった!
「……よいしょー!」
「あぐげぁっ!?」
「げぼるぉあっ!!」
本気でやるとミンチが出来上がっちゃうので、殴りつけるというよりはこう、押し退けるような感覚でぐいーっと杭打ちくんで薙ぎ払う。
さすがに家一軒より重いからねー、まとめてぶっ飛ばされて壁に叩きつけられ、そのまま気を失っちゃったよ二人とも。
杭打ちくんを持ったまま中に入っても問題ないくらい、頑丈に建てられた家だったのが運が悪かったねー。
さて、僕に向かってきたのは4人全員仕留めたよ。
シアンさんは、と──お、決着間際だね、あっちもー。
「はぁっ! でやぁぁぁっ!!」
「ぐぁ、あっ!?」
ショートソードで敵の攻撃を受け流し、同時に側面に回り込みつつ胴を薙ぐ。滑らかで淀みない素晴らしい動きでの攻撃だ。
何より迷いも恐れもないのがいいねー。踏み込みがこれまでの慎重なものに大胆さが混じってちょうどいい塩梅だよー。
リンダ先輩との戦いで開眼した勇気、ちゃんと身につけて戦えてるんだからすごいよ。サクラさんのやり口は過激だったけど、結果的に見事にシアンさんを一足飛びで一段強くできたんだもんね。
見事に敵を倒した彼女が駆け寄ってくる。カリスマもあってか新人とは思えない風格を醸し出してきている彼女は、けれど新人らしい焦りをもって僕に話しかけてきた。
「ソウマくん、大丈夫ですか!?」
「全然問題ないですよ、シアンさん。よゆーってやつですー」
まずは4人もの不逞の輩に襲われた僕を気遣ってくれるんだから、優しいよー! 惚れるよ、惚れちゃうよ、もう惚れてた!
素敵な初代初恋さんにえへへと笑いつつVサイン。
さすがですねと褒めてくれる彼女にいいとこ見せちゃったー! なんてはしゃぎつつも、僕は並んでサクラさんのほうを見る。
あっちはあっちで、何やら激戦の様相を繰り広げていた。