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翌日の午前練習後のミーティングで、ダンは、昨日に遥香が怪我をしかけた件を重々しく告げた。ウェブスター校の名は出さなかったが、「事件や事故に巻き込まれないよう、充分に注意するように」と厳かに締めた。
放課後の午後練習、ダンの元への全会員の集合を確認した桐畑は、「ちょっと提案、良いっすか」と高々と挙手した。
わずかに戸惑った様子のダンだったが、「良いぞ、話してみろ」と、静かに答えた。
手を下ろした桐畑は、一拍を置いて気持ちを整えた。
「みんなも見たように、ウェブスター校のギディオンは、並大抵のキック&ラッシュじゃ突破は難しい。まあうちも、だいぶ短いパスが回るようにはなってるんだけどな。それで俺の提案は、ハンドボールのパス・ワークの導入、です」
桐畑は、力強く言葉を切った。
「ハンドボールって、どういう意味? 手を使ったら、ハンドじゃん」と、不思議そうなエドから突っ込みが入る。
「ディフェンスの遠くではゆっくりボールを回して、縦パスで加速。細かく繋いで守備に穴を空けて、隙を見てシュート。このハンドボールの攻撃方法を、フットボールに生かすのが俺の考え。エドの言うの通り、手と足の違いはあるけどな。指導は、経験者のダン校長にお願いしたいです」
桐畑は熱弁を終えると、場に沈黙が訪れた。
「ケントの提言だが、私は良いように思う。百戦錬磨のウェブスター校は、キック&ラッシュには慣れているからな。熱意のある会員からの、建設的な意見だ。ぜひとも練習に取り入れたいが、異論のある者はいないか」
実直な口振りで、ダンは問い掛けた。会員たちは皆、じっとダンを凝視している。
「では今日から、ハンドボールのパス・ワークを修得すべく、練習を組んでいく。決勝まで日がない。形になるよう、集中して臨むように。では、準備体操に移れ」
ダンの厳格な指示に、会員たちは「「はい」」と返して、各々走っていった。
翌日の午前練習後のミーティングで、ダンは、昨日に遥香が怪我をしかけた件を重々しく告げた。ウェブスター校の名は出さなかったが、「事件や事故に巻き込まれないよう、充分に注意するように」と厳かに締めた。
放課後の午後練習、ダンの元への全会員の集合を確認した桐畑は、「ちょっと提案、良いっすか」と高々と挙手した。
わずかに戸惑った様子のダンだったが、「良いぞ、話してみろ」と、静かに答えた。
手を下ろした桐畑は、一拍を置いて気持ちを整えた。
「みんなも見たように、ウェブスター校のギディオンは、並大抵のキック&ラッシュじゃ突破は難しい。まあうちも、だいぶ短いパスが回るようにはなってるんだけどな。それで俺の提案は、ハンドボールのパス・ワークの導入、です」
桐畑は、力強く言葉を切った。
「ハンドボールって、どういう意味? 手を使ったら、ハンドじゃん」と、不思議そうなエドから突っ込みが入る。
「ディフェンスの遠くではゆっくりボールを回して、縦パスで加速。細かく繋いで守備に穴を空けて、隙を見てシュート。このハンドボールの攻撃方法を、フットボールに生かすのが俺の考え。エドの言うの通り、手と足の違いはあるけどな。指導は、経験者のダン校長にお願いしたいです」
桐畑は熱弁を終えると、場に沈黙が訪れた。
「ケントの提言だが、私は良いように思う。百戦錬磨のウェブスター校は、キック&ラッシュには慣れているからな。熱意のある会員からの、建設的な意見だ。ぜひとも練習に取り入れたいが、異論のある者はいないか」
実直な口振りで、ダンは問い掛けた。会員たちは皆、じっとダンを凝視している。
「では今日から、ハンドボールのパス・ワークを修得すべく、練習を組んでいく。決勝まで日がない。形になるよう、集中して臨むように。では、準備体操に移れ」
ダンの厳格な指示に、会員たちは「「はい」」と返して、各々走っていった。