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 前半はまもなく終わり、会員たちは、ダンを含んだ円になった。
 講評を進めたダンは、ある時ふっと、エドに真摯な視線を向けた。
「エド。率直に所感を告げると、今日の君は、全く良いところがない。事情も理解している。だから交代も──」
「大丈夫です、先生」ダンと反対側にいるエドが、ダンの淡々とした台詞に割り込んだ。口振りと表情は決然としていて、手はぎゅっと握り締められていた。
「俺はもう大丈夫。マルセロの喝で、ばっちり目が覚めた。だから後半は絶対に、俺のショー・タイムだ」
 睨むような目力で、エドは断言した。一秒、二秒。深い顔のダンは、エドから視線を逸らさない。
「わかった。ではこの試合は、君に運命を託すとしよう。重々承知で、プレーするように」
はい(Yes sir)!」
 エドの返事が、グラウンド上に轟いた。