そして.....................



「ほれ、俺の好きな色はこれ」



さっき塗ったばかりの、
白色の上に、青で色を付けた十希。



「んで、お前の好きな色は緑」



そう言うと、青の隣に緑を塗る十希。



「んで、こーなだな、睦子」

「〜〜っ、んな!ばっ、」



他の生徒より離れてて、
声も聞こえないし、絵も見えないのをいいことに。



〝睦子〟って呼んだのと同時、
青と緑を囲むように、ピンクで描かれたハート。



つい、〝バカ!〟なんて、
言っちゃいそうになっちゃったよ.........っ。



「まぁ、いいんじゃねーの?ってこと」

「っ、なにが、」

「色のない世界で、俺の隣にいればさ」

「〜〜っ、ノーコメントで!」



ここは、学校だし、
いきなりで訳がわからないけど。



でも、少し。ほんの少しだけ。



十希の言葉は、色のない世界で、
きみの隣にいる勇気が沸いた気がした。





fin.