不思議と拒めなくって。
むしろ、嬉しそうな顔は、
〝何か〟を我慢しているようにも見えた。
だから、私は肉まんをひと口食べると。
「............私、夜空じゃなくて月見てるんです、」
いつも、理解されないことなのに、
横にいる、彼には聞いて欲しくって.........
勇気を出して、静かにそう口にした。
すると。
「やっぱ、あんた、俺と似てんね。
俺はね、いつも夜空に浮かぶ星見てる」
そう言って、私に視線を向けてきた。
「............ほ、し?」
「うん。そー、部屋から見てたら、
何年も前から、声が聞こえて探してた」
「ゎ、私の声.........ですか?」
彼は静かに、
星を見たかったのかもしれないのに。