彼の手をギュッと、
ほんの少し震えながら握り返した。
「...............っ、ぅ、たぶん、もう、」
「うん」
「...............っ、ぅ、消えそう、でした、」
「俺、いいタイミング?」
「...............っ、ぅ、はい、」
「ん。これからは俺がいるから」
私はたぶん、
誰かに助けて欲しかった。
〝気持ち悪い〟って思われても、
趣味ぐらいは理解して欲しいとか。
淡い期待ぐらいは、いつも抱いていた。
だけど、理解されなくて、
〝気持ち悪い〟ばっかり思われて。
そのうち、
期待すら抱けなくなっていたと思う。