自室へと戻った俺はベッドにゴロリと仰向けで寝転がると、口を開く。
「さてと。んじゃ、早速ネムの視覚を覗いてみるか」
俺はそう呟くと、自身とネムの間にある繋がりを探るようにして、ネムの目に入り込むイメージをする。
すると、ふわっと視界が変わり、真っ暗になった。
そして、ぴちゃぴちゃと水の跳ねる音が反響するように聞こえてくる。どうやら成功のようだ。
「よし。流石にこの距離の視覚共有は出来るか。てか、音が聞こえるってことは、何気に感覚共有も出来てるのか。これも結構凄いことだよな? ……あとは、この距離から命令を下せるかだが……」
俺は若干不安になりながらも、下水道を進むネムに命令を下す。
「ネム。俺の言葉が伝わっているのなら、そこで立ち止まってくれないかな?」
すると、さっきまで聞こえていたぴちゃぴちゃという音が止まった。
本当に、立ち止まった……!
「ネム。再び目的地へ――下水道の外へ向かって進んでくれ」
するとどうだろうか。
なんと、再びぴちゃぴちゃと音が響き始めたのだ。
「よし。これは成功で間違いないな」
俺は思わずニヤリと笑う。
F級では流石に厳しいだろうと思っていたのだが、まさか成功するとはね。思念伝達って、個人差はあれど基本的にC級以上だし。
でも、これはマジでありがたい。これで、街の様子も好きに楽しむことが出来るだろう。
まあ、ヘマして見つかったら、最悪殺されちゃいそうだから、そこは気をつけないと。
「……あ、光だ」
奥にうっすらと見えて来た光。間違いない。あそこが出口だ。
すると、俺の気持ちを汲んだのか、ネムの進む速度が若干早くなった。
ぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃ……
そしてついに、細かい網目を通り抜けて、下水道の外に――屋敷の外に出ることが出来た。
「よし。さて、ここはどこだろうか……?」
俺はネムに周囲を見渡すよう命じながらそう呟く。
目の前には川があり、上には青空……と、川にかかった橋を渡る多くの人。
「やっぱりあの川に出たか」
ダンジョン都市、シュレインには上下を丁度区切るように横断する川が流れており、この街に住む人々の生活用水となっている。
下水道から出た場所ということから考えると、ここは川下である東の方なのだろう。
「さてと……まずはここから上がらないとな」
ただ、どうやって出ればいいのだろうか。
すぐ目の前には川が流れ、橋はここから3メートルも上に位置している。
流石にスライムでは、どうやったってここから出ることは出来ない。唯一方法があるとすれば、川に流されることで、街の外へ行くことぐらいしか……
「う~ん……川の先には確か森が広がってたよな。ただ、そこへ行かせるのは結構危険だな……」
俺は腕を組みながら、ムムムと唸る。
簡単に見つけられるとはいえ、流石に初めてテイムし、名前まで付けたスライムを捨て駒にするような行動は取りたくない。あそこには、スライムよりも強い魔物が跳梁跋扈しているんだよ。
やれやれ。愛着が湧いてしまうのも、考え物だなぁ……
「……しゃーない。一旦下水道内に戻ってくれ。何匹かスライムをテイムして、余裕が出来てから偵察に行かせるとするか」
俺はネムに命令をして、下水道内へと戻らせる。
すると、前方から何か動くものが見えて来た。
「何だ!? ……ああ、スライムか」
そこにいたのは、1匹のスライムだった。
別にスライムは共食いとかはしないので、特に警戒する必要も無いだろう。
すると、ここでふと好奇心からあることを思い付く。
「ここから遠隔でテイムできたりしないかな?」
そんな反則じみたテイマーなんて聞いたことないが、別にやっても損はしないし、折角の手札なのだから、試せることは試しておかないと。
そんな思いから、俺は目の前でぽよんぽよんと可愛らしく上下に動くスライムに”テイム”を使う。
すると――
「……ん!? 繋がった!?」
まさかの成功に、俺は思わずがばっとベッドから起き上がる。
そのせいで一時的に視覚共有が切れ、元の部屋へと引き戻されたが、直ぐにネムと視覚を共有する。
「マジかよ。マジでやべぇな……」
俺は目の前にいるスライムをじっと見つめながら、感嘆の息を漏らす。
再び自身の感覚を確かめてみるが、確かに繋がりが1つ増えているのが感じられる。
「……変わってみるか」
俺は確認とばかりに、視覚をそのスライムに移しかえる。
すると、ふっと視界が切り替わった。
目の前には1匹のスライム。そして、その後ろには下水道の出口。
視覚共有が出来るということは、テイムできているという確固たる証拠にほかならない。
ああ、確定だ。
どうやら俺はテイムした魔物の視覚越しに見た魔物もテイム出来るらしい。
「さてと。んじゃ、早速ネムの視覚を覗いてみるか」
俺はそう呟くと、自身とネムの間にある繋がりを探るようにして、ネムの目に入り込むイメージをする。
すると、ふわっと視界が変わり、真っ暗になった。
そして、ぴちゃぴちゃと水の跳ねる音が反響するように聞こえてくる。どうやら成功のようだ。
「よし。流石にこの距離の視覚共有は出来るか。てか、音が聞こえるってことは、何気に感覚共有も出来てるのか。これも結構凄いことだよな? ……あとは、この距離から命令を下せるかだが……」
俺は若干不安になりながらも、下水道を進むネムに命令を下す。
「ネム。俺の言葉が伝わっているのなら、そこで立ち止まってくれないかな?」
すると、さっきまで聞こえていたぴちゃぴちゃという音が止まった。
本当に、立ち止まった……!
「ネム。再び目的地へ――下水道の外へ向かって進んでくれ」
するとどうだろうか。
なんと、再びぴちゃぴちゃと音が響き始めたのだ。
「よし。これは成功で間違いないな」
俺は思わずニヤリと笑う。
F級では流石に厳しいだろうと思っていたのだが、まさか成功するとはね。思念伝達って、個人差はあれど基本的にC級以上だし。
でも、これはマジでありがたい。これで、街の様子も好きに楽しむことが出来るだろう。
まあ、ヘマして見つかったら、最悪殺されちゃいそうだから、そこは気をつけないと。
「……あ、光だ」
奥にうっすらと見えて来た光。間違いない。あそこが出口だ。
すると、俺の気持ちを汲んだのか、ネムの進む速度が若干早くなった。
ぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃ……
そしてついに、細かい網目を通り抜けて、下水道の外に――屋敷の外に出ることが出来た。
「よし。さて、ここはどこだろうか……?」
俺はネムに周囲を見渡すよう命じながらそう呟く。
目の前には川があり、上には青空……と、川にかかった橋を渡る多くの人。
「やっぱりあの川に出たか」
ダンジョン都市、シュレインには上下を丁度区切るように横断する川が流れており、この街に住む人々の生活用水となっている。
下水道から出た場所ということから考えると、ここは川下である東の方なのだろう。
「さてと……まずはここから上がらないとな」
ただ、どうやって出ればいいのだろうか。
すぐ目の前には川が流れ、橋はここから3メートルも上に位置している。
流石にスライムでは、どうやったってここから出ることは出来ない。唯一方法があるとすれば、川に流されることで、街の外へ行くことぐらいしか……
「う~ん……川の先には確か森が広がってたよな。ただ、そこへ行かせるのは結構危険だな……」
俺は腕を組みながら、ムムムと唸る。
簡単に見つけられるとはいえ、流石に初めてテイムし、名前まで付けたスライムを捨て駒にするような行動は取りたくない。あそこには、スライムよりも強い魔物が跳梁跋扈しているんだよ。
やれやれ。愛着が湧いてしまうのも、考え物だなぁ……
「……しゃーない。一旦下水道内に戻ってくれ。何匹かスライムをテイムして、余裕が出来てから偵察に行かせるとするか」
俺はネムに命令をして、下水道内へと戻らせる。
すると、前方から何か動くものが見えて来た。
「何だ!? ……ああ、スライムか」
そこにいたのは、1匹のスライムだった。
別にスライムは共食いとかはしないので、特に警戒する必要も無いだろう。
すると、ここでふと好奇心からあることを思い付く。
「ここから遠隔でテイムできたりしないかな?」
そんな反則じみたテイマーなんて聞いたことないが、別にやっても損はしないし、折角の手札なのだから、試せることは試しておかないと。
そんな思いから、俺は目の前でぽよんぽよんと可愛らしく上下に動くスライムに”テイム”を使う。
すると――
「……ん!? 繋がった!?」
まさかの成功に、俺は思わずがばっとベッドから起き上がる。
そのせいで一時的に視覚共有が切れ、元の部屋へと引き戻されたが、直ぐにネムと視覚を共有する。
「マジかよ。マジでやべぇな……」
俺は目の前にいるスライムをじっと見つめながら、感嘆の息を漏らす。
再び自身の感覚を確かめてみるが、確かに繋がりが1つ増えているのが感じられる。
「……変わってみるか」
俺は確認とばかりに、視覚をそのスライムに移しかえる。
すると、ふっと視界が切り替わった。
目の前には1匹のスライム。そして、その後ろには下水道の出口。
視覚共有が出来るということは、テイムできているという確固たる証拠にほかならない。
ああ、確定だ。
どうやら俺はテイムした魔物の視覚越しに見た魔物もテイム出来るらしい。