目を覚ますと白い天井が目に入った。
「瑞野さん、手術は無事終わりましたよ。」
看護師の人にそう言われると、私は目からボロボロ涙をこぼした。
ありがとう、心臓をくれた人。ありがとう、ありがとう。
心のなかで何度も何度も感謝した。してもしきれないくらいに何度も何度も感謝した。
生きていることの素晴らしさ、嬉しさを胸に抱いて私はまた眠りについた。
次に目を覚ますと色々な検査をした。当たり前だけれどしばらくは入院しなければならないらしい。
久しぶりにお医者様からスマホを返してもらうと、見覚えのないアイコンの人からメールが来ていた。
なんだろうと思いながら開くと、送り主は縁下くんだった。
【瑞野さん、君がこのメールを見てる頃には僕は君と同じ世界にはいません。】
意味のわからない口上から動機が激しくなる。
「今君の中にあるのは僕の心臓です。僕はステージ4の悪性の脳腫瘍であと半年しか生きられないと余命を知ったときに、心臓移植のドナーを探してる人がいることを聞いて検査を受けさせてもらいました。僕の心臓が誰かの役に立つのかもしれないと思ったので。】
メールの字がだんだんと歪んでいく。自分が泣いていることがわかる。
【君が昨日心臓の病気だと聞いたとき、きっと君のことだったんだろうなとおおよそわかっていました。僕は君の明るさに憧れていたので、最期に役に立ててよかったです。僕の分まで生きてください。】
気がつくと私は声を上げて泣いていた。
最後の一文が歪んで読めない。必死に涙を拭いて見ると、私の顔は本当にひどい顔になったのだろう。
そんなときに杏那がお見舞いに来た。
「えっ、なにがあったの!?」
慌てる杏那に首をふることしかできない私。
画面が見えてしまっていたのだろう。杏那は泣きながら笑っていた。
「最期にカッコつけてるんじゃないよ、陰キャ野郎。お前にりりはあげないから!」
「瑞野さん、手術は無事終わりましたよ。」
看護師の人にそう言われると、私は目からボロボロ涙をこぼした。
ありがとう、心臓をくれた人。ありがとう、ありがとう。
心のなかで何度も何度も感謝した。してもしきれないくらいに何度も何度も感謝した。
生きていることの素晴らしさ、嬉しさを胸に抱いて私はまた眠りについた。
次に目を覚ますと色々な検査をした。当たり前だけれどしばらくは入院しなければならないらしい。
久しぶりにお医者様からスマホを返してもらうと、見覚えのないアイコンの人からメールが来ていた。
なんだろうと思いながら開くと、送り主は縁下くんだった。
【瑞野さん、君がこのメールを見てる頃には僕は君と同じ世界にはいません。】
意味のわからない口上から動機が激しくなる。
「今君の中にあるのは僕の心臓です。僕はステージ4の悪性の脳腫瘍であと半年しか生きられないと余命を知ったときに、心臓移植のドナーを探してる人がいることを聞いて検査を受けさせてもらいました。僕の心臓が誰かの役に立つのかもしれないと思ったので。】
メールの字がだんだんと歪んでいく。自分が泣いていることがわかる。
【君が昨日心臓の病気だと聞いたとき、きっと君のことだったんだろうなとおおよそわかっていました。僕は君の明るさに憧れていたので、最期に役に立ててよかったです。僕の分まで生きてください。】
気がつくと私は声を上げて泣いていた。
最後の一文が歪んで読めない。必死に涙を拭いて見ると、私の顔は本当にひどい顔になったのだろう。
そんなときに杏那がお見舞いに来た。
「えっ、なにがあったの!?」
慌てる杏那に首をふることしかできない私。
画面が見えてしまっていたのだろう。杏那は泣きながら笑っていた。
「最期にカッコつけてるんじゃないよ、陰キャ野郎。お前にりりはあげないから!」