翌朝は5時に目が覚めた。
「ごめん、家に帰らないと。」
そう言って縁下くんは帰っていった。
 思ったよりもしっかりした身体に、温かい感触が今も全身に残っている。
私は彼への感謝の言葉を胸に秘めて病院に向かう準備をした。
 病院につくと既にお医者様は待っていた。だけど隣にいた両親はすごく泣いている。なんでだろう。
「実は、あなたの心臓に合うドナーが見つかりました。どうしますか?」
私は開いた口が塞がらなかった。まさか、生きられるとは思ってなかったから。
「受けます!受けさせてください!」
「わかりました。準備をするので病室で待っていてください。」
 私はどこの誰だかわからないドナーに心からお礼を言いたくなった。