楽しく、食べてドリンクバーをお代わりしながらいろんな話をした。
日菜子は教育学部の幼児教育学科で幼稚園教諭と保育士どっちの資格も取るべく奮闘中。
来年からは実習も入るらしく、付属幼稚舎に行くのが楽しみだという。
蒼くんは日々スポーツに関する座学や実技をしつつ、教員課程の勉強も頑張っているみたい。
卒業までの単位を取るのが一苦労だとか。
要くんは理系の授業を満遍なく取りつつ、蒼くんと同じく教員課程の授業を取っている。
元々好きな理科の実験や座学の授業を楽しんでいる。
みんな着々と自分の道を歩み始めている。
私もこの春からその一歩を踏み出すことが出来そうだ。
「有紗と要は相変わらず仲が良いわね。要もちょこちょこ有紗が難しいことにはサッと手助けしているし。昔より連携が取れているから、そんなふたりがとても自然に見えるよ」
そんな日菜子の言葉に、蒼くんも言った。
「うん、それでいてさ、要は有紗ちゃんを見るよその男にはガン飛ばして牽制していたんだよ? 有紗ちゃんは知らないでしょ? 要はものすごく有紗ちゃんが好きだって、傍から見ているとよくわかるよ」
蒼くんの話に要くんは慌てつつ、言った。
「あー、蒼が言ったのは間違いない……。もうずっと有紗に、恋しているから」
ストレートな要くんの言葉は、変わらず私をドキドキさせてくる。
恋をしないと思っていた私を変えた、そんな要くんとお互いを大切にして自分の未来を歩み出す。
「私も、毎日恋をしているよ! 要くんが大好き」
私にとって、最初で最後の恋はきっとこの先も続くだろう。
たくさんの好きを詰め込むように増やしながら。
Fin