星雨学園の入学手続きをして、琥珀くんと共に教室へ向かう。
「あら、琥珀と芙羽梨じゃない」
汐來さんが小さく手を振っていた。
「汐來さん……?」
「そうよ、これから同じクラスなの」
「琥珀がいるなら安心かしら」
確かに誰も知らない人よりかは琥珀くんや汐來さんがいた方が安心だ。
そして、授業を受ける。
席は琥珀くんと汐來さんとは離れてしまった。
「ねぇねぇ、あなた転入生?」
少し小柄で、幼さのある喋り方や仕草。
「あ、はい。そうです」
「あ、敬語じゃなくていいよっ!同い年なんだもん」
「うん、花里芙羽梨っていうの。よろしくね」
その子はキラキラした瞳で私を見る。
「芙羽梨ちゃん?めっちゃかわいい名前!見た目もめっちゃ名前に合ってる!」
「ありがとう」
「あ、わたしは双葉莉羽。安倍晴明の式神、天后を宿してるの~」
さらっとすごいことを言った気がする。
「え、式神?」
「うん、式神。あれ、もしかして知らない?安倍晴明は──」
「え、いやっ。式神自体はわかるんだけど、莉羽ちゃんまで式神を宿してるなんて……」
私の周りの人たちは全員すごい人たちだ。
「わたしまでってことは……他の安倍晴明の式神──十二天将と会ってるの?」
十二天将は安倍晴明の式神のことだ。
「うん。琥珀くんと天奈さん、それと莉羽ちゃん」
「そういえば、火宮くんと一緒にいたもんね!天奈さんは……漆戸のお姫様?」
「そう、漆戸家の。会ったことあるの?」
「まあ、さっきも言ったけどわたしたちは十二天将。陰陽師の中では強い方だからたくさんの被害をもたらす怨霊を祓うために会議とかあったりするからね。そこで何度か会ってるくらい、ちゃんと話したのは片手に収まる程度だよ」
十二天将は忙しいのか。
「あ、そうだ。この教室には十二天将が三人いるんだよ~?」
三人、琥珀くんと莉羽ちゃん。
あと一人は誰だろうか。
あたりを見回すがそれっぽい人は見当たらない。
「まあ、休み時間話そう!」
授業に集中して、陰陽師のことをたくさん学んだ。
そして、休み時間。
「芙羽梨ちゃん、こっち!」
「あ、うん」
莉羽ちゃんについて行き、一人のところにたどり着いた。
「ねぇねぇ、この子火宮くんと漆戸のお姫様と知り合いなんだって!汐來ちゃんとも話してたし!」
「莉羽はテンション高すぎ……ついていけないから」
その人と目が合った。
十二天将は美形の人が本当に多い。
その人は低い声とは裏腹に、ぱっちりした目にスラッとした身体。
欠点なんてないと思う。
「十二天将、白虎。呉宮弓弦。あんたは?」
「は、花里芙羽梨です……」
「そう、よろしく。花里は火宮と知り合いなの?」
「お、幼馴染で……」
呉宮くんの威圧感にやられそうだ。
「そうなんだ。十二天将四人と知り合いなんて花里恵まれてるな。その分強いやつが多いし」
そうだ。
ここに入学した理由は陰陽山で暮らすためには修行が必要と言われ、まずは基礎を学べということなので入学したのだ。
馴れ合いなんかじゃない。
それを忘れてはならない。
「うん、そうだね。私、もっと強くなったら莉羽ちゃんにも呉宮くんにも勝つから」
十二天将の前で私はなにを言っているのか。
講義室内にいる人からの視線がすごい。
「はっ。それはおもしろいな……それと、弓弦でいいよ。莉羽や火宮は名前呼びなのに俺だけ名字呼びなの悲しいじゃん」
「う、うん!弓弦くん……!」
もっと強くなりたいと心から思った。
「あら、琥珀と芙羽梨じゃない」
汐來さんが小さく手を振っていた。
「汐來さん……?」
「そうよ、これから同じクラスなの」
「琥珀がいるなら安心かしら」
確かに誰も知らない人よりかは琥珀くんや汐來さんがいた方が安心だ。
そして、授業を受ける。
席は琥珀くんと汐來さんとは離れてしまった。
「ねぇねぇ、あなた転入生?」
少し小柄で、幼さのある喋り方や仕草。
「あ、はい。そうです」
「あ、敬語じゃなくていいよっ!同い年なんだもん」
「うん、花里芙羽梨っていうの。よろしくね」
その子はキラキラした瞳で私を見る。
「芙羽梨ちゃん?めっちゃかわいい名前!見た目もめっちゃ名前に合ってる!」
「ありがとう」
「あ、わたしは双葉莉羽。安倍晴明の式神、天后を宿してるの~」
さらっとすごいことを言った気がする。
「え、式神?」
「うん、式神。あれ、もしかして知らない?安倍晴明は──」
「え、いやっ。式神自体はわかるんだけど、莉羽ちゃんまで式神を宿してるなんて……」
私の周りの人たちは全員すごい人たちだ。
「わたしまでってことは……他の安倍晴明の式神──十二天将と会ってるの?」
十二天将は安倍晴明の式神のことだ。
「うん。琥珀くんと天奈さん、それと莉羽ちゃん」
「そういえば、火宮くんと一緒にいたもんね!天奈さんは……漆戸のお姫様?」
「そう、漆戸家の。会ったことあるの?」
「まあ、さっきも言ったけどわたしたちは十二天将。陰陽師の中では強い方だからたくさんの被害をもたらす怨霊を祓うために会議とかあったりするからね。そこで何度か会ってるくらい、ちゃんと話したのは片手に収まる程度だよ」
十二天将は忙しいのか。
「あ、そうだ。この教室には十二天将が三人いるんだよ~?」
三人、琥珀くんと莉羽ちゃん。
あと一人は誰だろうか。
あたりを見回すがそれっぽい人は見当たらない。
「まあ、休み時間話そう!」
授業に集中して、陰陽師のことをたくさん学んだ。
そして、休み時間。
「芙羽梨ちゃん、こっち!」
「あ、うん」
莉羽ちゃんについて行き、一人のところにたどり着いた。
「ねぇねぇ、この子火宮くんと漆戸のお姫様と知り合いなんだって!汐來ちゃんとも話してたし!」
「莉羽はテンション高すぎ……ついていけないから」
その人と目が合った。
十二天将は美形の人が本当に多い。
その人は低い声とは裏腹に、ぱっちりした目にスラッとした身体。
欠点なんてないと思う。
「十二天将、白虎。呉宮弓弦。あんたは?」
「は、花里芙羽梨です……」
「そう、よろしく。花里は火宮と知り合いなの?」
「お、幼馴染で……」
呉宮くんの威圧感にやられそうだ。
「そうなんだ。十二天将四人と知り合いなんて花里恵まれてるな。その分強いやつが多いし」
そうだ。
ここに入学した理由は陰陽山で暮らすためには修行が必要と言われ、まずは基礎を学べということなので入学したのだ。
馴れ合いなんかじゃない。
それを忘れてはならない。
「うん、そうだね。私、もっと強くなったら莉羽ちゃんにも呉宮くんにも勝つから」
十二天将の前で私はなにを言っているのか。
講義室内にいる人からの視線がすごい。
「はっ。それはおもしろいな……それと、弓弦でいいよ。莉羽や火宮は名前呼びなのに俺だけ名字呼びなの悲しいじゃん」
「う、うん!弓弦くん……!」
もっと強くなりたいと心から思った。