翌朝、目が覚めるとただ唐突に、低い、と思った。いつもより天井との距離が遠い。

起き上がると、水無瀬のベットには誰もおらず、音海はベランダに居た。

もう音海は制服に着替えている。そういえば、結局彼はうちの学校の生徒なんだろうか。

朝食を作る材料も無いので、仕方なくゼリー飲料を飲む事にした。

「ごめん、またこれしか無いんだけど、
 __『一日分の栄養』って書いてあるから、多分しばらくは倒れたりしないよ。」

いらないと言われても困るので、水無瀬も制服に着替えて支度をする。

部屋に戻ると、またもベランダにゼリー飲料を口にして佇んでいる音海が居る。

「部屋よりも外が好き?」

「…そういうわけじゃ無い」

そこで会話は途切れた。何で外にいるの、とか聞くこともできたが、次に口を開いたのは音海だった。

「親、いねぇの?」

「一緒には住んでないよ。」

「それは知ってる。」

何で知ってるんだよ。昨日だけいなかった可能性もあるじゃないか。

「生きてるよ。」

「それも知ってる。」

じゃあ何が知りたいんだというところだが、まさかただ話をしたかったわけではないだろう。