翌日、音海は戻って来なかった。

その翌日も、その次の日も。4日目くらいまでは気にしていなかったが、7日目となると少し心配になってきた。

いったい、どこで何をしているのやら。もしかしたら一人旅の趣味でもできたのかもしれないが、まさか彼がそうなるはずはないだろ

う。

重い腰を上げ、冷蔵庫を開ける。残りは一袋。

最近全然外出していない。学校と塾と__それくらいか。

初めて家に連れて行った時、冷蔵庫にゼリーしかなかったことに衝撃を受けたのか、それから彼はことあるごとに食料を持ち帰ってき

た。だから、ストックは十分あったはずなんだが……。こんな時間に外に出るのは気が乗らないので、残りの一つを頂戴する事にした。

スマホを手に取る。意味がないし、迷惑だと知っているけれど、なんとなく電話をかけてみた。

まさか、行方不明になっているとは思わないが。

電子音が鳴る。しばらく待っていると、雑音の中に聴き慣れた__聞きたかった声が聞こえてきた。

『要件は?』

どうやら取り込み中らしい。

『なるべく早く帰ってきて』

『_____』

そういうと、また雑音を残して通話が終わった。