あれから、二週間ほど経った。音海は、何故か毎日自分の家ではなく水無瀬の家に帰っていた。

「そういえばさ、あの傷はどうしてできたの?」

「……別に、たいした事ない。」

流石に惚ける訳にはいかなかったらしく、答えてくれた。

「もしかして、刃物を持つ悪い奴と戦ってた?」

「__まあ、だいたいそんなとこだけど、」

「勝ったの?」

「わかんねぇ」

勝ち負けがついてないということは、決着がつかなかったという事なのか。

「もうあんなことしないでね?」

「傷を作るなってことか?」

「それもそうだけど……もし傷をつくらないんだったら戦ってもいいわけじゃないよ、」

「水無瀬だって大量に包帯買ってただろ」

「もしもの時だよ、包帯は結構使い道あるからね。」

怪訝そうな眼差しを向けられる。

「で、誰と戦ったの?」

「刃物を持った奴。」

「そういう事じゃないって」と言いそうになたけれどやめておく。誰にだって言いたくないことはあるんだろう。それを

無理やり聞く必要はない。