◆次の日
朝、台所からの物音で目を覚ますとマハイルさんが朝食の準備をしていたまだ朝の6時ぐらいだった、
「おはようございます、マハイルさん」
「あら、起こしちゃったかしら?」
「いえ、早く本部に戻りたかったので丁度良かったです。」
建前とかじゃなく本音だった、早く本部に戻って報告を終えたかった、その為もう帰るための準備は終わっていた。
「そうなのね、朝ごはんはどうする、、イグの分も作ったのよ。」
「じゃあ、朝食だけ頂ます、」
「ふふっ、分かったは速く完成させちゃうわね」
マハイルさんは大急ぎで朝食を準備してくれた。逆に急かせる感じになってしまって申し訳なかったがものの数分もしないうちに朝食が完成した。
もしかしたら俺がここを早く出て行くと思い早めに朝食を準備していてくれたのではないかと思った。
マハイルさんならあり得る事だった。
マハイルさんと俺は朝食を食べ進めるしっかりとブラックコーヒーも準備していてくれた、食事が中盤に差し掛かった頃シエルちゃんがいない事に気が付いた。
「そういえば、シエルちゃんはまだ寝てるんですか?」
「えぇ、あの子朝弱いからあと3時間は爆睡よ、」
「そうなんですね、お別れの挨拶しようと思ったんですが、、」
「お別れって、また来ればいいじゃないの、、」
「はは、もう正式に騎士団なんで今度いつ来るか分かりませんよ、、」
そんな会話をしていると外の方からキィーと高い猛禽類の様な声が聞こえる、
迎えが来たようだ。
「あら、なんの鳴き声かしら?」
「迎えが来たんですよ、ごちそうさまです」
食べ終わった朝食の食器を洗い場に出し、マハイルさんと共に家の外に出ると空の方で赤い大きなタカの様な鳥が旋回していたので俺が口笛を吹くとこちらに気付き、空から降りて来た。
そのタカの正体は俺の使い魔のフェニックスだった。
フェニックに迎えに来てくれた礼を言うと嬉しそうに鳴いた。
「あら、驚いたそれ最強種よね。」
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5大最強種の一種
不死の魔鳥 ソルドガルダ
(別名 音無き狩人)
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「はい、最近使い魔になったフェニックスです。」
「フェニックスって、、、安直ね、もっといい名前無かったの?」
「フェニックスかっこいいじゃないですか、お前もそう思うよな」
フェニックスにも同意を求めようと話掛けると首を左右に振り否定の様な鳴き声をした
俺は悲しくなった、、、
「この子なんでイグ場所が分かったの?」
「魔道具でお互いの大体の位置がわかるですよ、多分昨日帰らなかった事を心配して迎えに来てくれたんでしょう。」
「魔道具ね、、」
「マハイルさんは使い魔いないんですか、マハイルさん程の魔力量なら使い魔も使役できると思うんですけど、、」
俺がそう聞くとマハイルさんの顔から一瞬笑顔が消えた気がしたがいつも通りの笑顔に戻った。質問に対しての返答は『シエルがいるから』と言われ話を流されてしまった、俺もこの時あまり触れない方いい話だと思いこれ以上話題を掘り下げる事はしなかった。
「じゃあ、俺はもう行きます。」
「はい、気を付けて、」
俺はフェニックスの背中に乗る、すると羽を羽ばたかせてゆっくり上昇した。
「シエルちゃんにもよろしく言っといて下さい。」
「分かったわ、またいつでも来なさい」
「はい、またいつか。」
また会おうと言われたが次会うのは何ヶ月後になるかと考えながら本部に帰るのだった。