(セリナ視点)
私たちの両親が死んだのは今から12年前の事。
当時の私は4歳。
死因は仕事中に土砂崩れに巻き込まれた事による事故死だったわ。
両親はいつも通り家畜の世話の為に出掛けて行ったわ
本当に・・・・いつも通りに・・・
両親と最後にした会話は「二人とも仲良く」だったわ。
仕事に出掛ける際に毎回私たちに言ってくる事、多分だけど「いい子で留守番しててね。」と言う意味があったと思うわ。
でも両親が亡くなった今ではこの言葉が違う意味にも聞こえるのは不思議に思う。
土砂崩れの被害は酷かったが犠牲になったのは私たちの両親だけだった。当時の私は神を恨んだ。
なんで?私が何かしたの?
私からお母さん、お父さんを奪われるような悪い事をしたの神様?
ねぇ、神さま、・・・私いい子になるから。
お兄ちゃんの言う事も聞くし、好き嫌いもしない、
何でもするからお母さんを返してと願った。
でもその願いは絶対に叶わない。
私は二人の遺体を見て確信した。
残酷な現実に耐えきれずに咽び泣く
そんな私を見たお兄ちゃんが優しく私を抱きしめてくれた
私に残された最後の家族・・・
兄の腕の中で当時の私はある決意をした。
【家族をもう二度と失わない為に良い子になる】と・・・・。
◇
(スラク視点)
両親が亡くなった・・・12年前に土砂崩れに巻き込まれ亡くなった。当時の俺は8歳だった。
両親が土砂崩れに遭ったと村長に聞いて俺は妹を連れて、村長の案内する場所に行った。
当時の俺はどこかで両親は生きてると淡い期待を抱いていた。
しかし、そんな俺の甘い妄想は両親の遺体を見て苦い現実に変わっる。両目から涙が出た。
土砂崩れの被害は大きなものだったが犠牲者は俺の両親二人だけだった。
俺は世界を憎んだ。
なぜ、俺の両親だけが犠牲になった?
なぜ、俺の両親を奪った?
なぜ、俺の両親が苦しい思いをしないといけない?
普通の仲の良い4人家族だったのに・・・
もうすぐでセリナも5歳になるって言うのに・・・
夏は家族で海に出掛ける約束もしていたのに・・
なぜ、世界はこんなにも残酷なんだ。
辛く、苦しい現実から逃げようと自分の心を閉ざしかけた・・・その時、妹が泣き叫ぶ声が聞こえた。
ワガママで可愛げがない俺の大好きな妹の泣き声だ。
その姿を見て両親との最後の会話を思い出した。
「二人とも仲良く」まるで呪いの様な言葉だった。
しかし、当時の俺はその呪いの言葉に救われた。
自分の涙を拭い
泣く妹を優しく抱きしめ、心に決意を刻む。
【両親の分までセリナを幸せにする】この決意と共に俺は泣く事を辞めた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ー4週間後ー
(セリナ視点)
両親が亡くなって4週間が経った。
両親が残してくれたこの家で兄と二人暮らしをする事になったわ。
初めはカカ村を出てどこかの孤児院に引き取って貰う話もあった。
当時の私は兄や村の人に迷惑を掛けたくなかったから。私の本心を無視して受諾するつもりだったわ。
しかし、村長や村人の全面的な協力で私は好きなこの村でこの家で暮らせることになったわ。
そして、それと同時に兄が昼の間家から居なくなる事が増えた。
最初の頃は料理が出来ない私たちの代わりに近所の人達が順番に私たちにご飯を作ってくれていた。
けど4週間が過ぎると急に兄が料理を始めたわ
一番はじめに作ってくれた料理はハンバーグ。
お母さんの得意料理の一つで私の大好物でもあったわ。
しかし、兄が作ってくれたハンバーグは母のとは大きく違っていた。
形は歪で、パサついて、外は丸焦げなのに中身は生焼け。
正直に言うと食べれる物では無かった。4週間前なら文句を言って絶対に手を付けなかったけど、私は完食した。
そんな自分に安心できた。
◇
(スラク視点)
両親が亡くなって4週間が過ぎた。
両親が亡くなった後、どこかの孤児院に引き取ってもらう話があった。セリナも賛成していたがその言葉は本心ではない気がした。
そこで当時の俺は村長に相談して、この村で俺が仕事を手伝う代わりに村に置いてくれと頼んだ。
村長は・・・いや、村の人たち全員それを望んでいた様で快く受け入れてくれた。
両親が死んでからセリナの様子がおかしい。
元気なのは前と変わらない・・・しかしなぜか変に素直になったり、ワガママを言わなくなった。
まるで新しい自分を作っている様でどこか無理をしてる気がした。
俺はセリナの本心を知りたかった。
そこで当時の俺は元気付ける為にセリナに手作りのハンバーグを作ってあげる事にした。母さんの得意料理だ。
見よう見まねで作ったハンバーグの出来栄えは散々な物だった。
味はしないは、丸焦げなのに中は生焼けで人が食べて言い食べ物ではなかった。
しかし、そんな俺の料理をセリナは完食した。
まずいの一言を言わずに『おいしい・・・おいしい・・』食べて完食した。両親が亡くなる前の妹からは考えられない行動だった。
完食した自分の皿を見てセリナは安堵した様に微笑んだ。
その顔を見た俺は『なんで、そんな悲しそうに笑うんだ?』と疑問に思ったのを今も忘れない。
そして、俺は妹に本当に笑顔になって貰えるような料理を作ると決めた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
~1年後~
(セリナ視点)
両親が死んで1年が過ぎた。
兄との二人暮らしも慣れてきた頃だったわ。
家の家事も分担でやる事になった。
洗濯、掃除などの家事は私が担当して昼間に仕事に出掛けている兄は食事を担当していたわ。
兄は両親が亡くなってからずっと私に内緒で働いていた。半年前に毎回昼間に兄がいない事を不審に思った私は兄の後を尾行した。
その時に村長さんの元で働いてる兄の姿を見て知ったわ。
なんで、働いてる事を隠していたか聞いても理由を教えてくれなかった。
ホントは私も働きたい気持ちはあったけど働く事が出来るのは8歳からと決まっていて当時5歳の私は働く事が出来なかった。
その代わりに村の手伝いや勉強をしていた。
兄の料理も最初に比べて、人が食べても良いレベルの物に成長していた。
たまに大っ嫌いなピーマンやナスなどの料理も出てきたがワガママを言わないで我慢して完食した。そんな自分じゃない自分に私は安心できる。
◇
(スラク視点)
半年前に妹に働いてる事がバレた。・・・別に隠すつもりは無かったが妹に働いてる事を知ったら『私も働く』と言うと思ったから出来るだけバレたく無かった。
案の定働きたいと言ってきた。
しかし働くにはまだ年齢も足りてないし、俺はセリナには自由な未来を歩んで幸せになって欲しかったからその提案を却下した。
一年が経って俺の料理の腕前もそこそこまで成長した。
毎日、村の人から料理のコツなどを聞いて実践してきた。
最初の様な無残なハンバーグを作る事もなくなり、最近では料理が俺の生きる意義になった。
時々セリナに嫌がらせでアイツの嫌いなピーマンやナスなどを使った料理を出して嫌がらせをしてやった。
文句の一つでも言われるかと思ったがセリナは黙って食べていた。
これが心の成長からくる事のなら俺は良いのだが・・・そうではない気がしてどこか我慢をしている気がした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
~3年後~
(スラク視点)
両親が死んで4年が過ぎた。
俺は今年で12歳、妹は8歳になった。
当時の俺はセリナの事が分からなくなっていた。
両親が亡くなってからセリナの本心を聞いていない気がする。
両親が生きてる間は違っていた、嫌な事は嫌、好きな事は好きと言いワガママで傍若無人な性格だった。
俺はそんなセリナがムカつくが大好きだった。
本音で俺と会話をしていてくれたみたいで俺は兄として頼りにされてる気がしていたのに・・・
そんな悩みを抱いてる時にセリナから働きたいと言って来た。
今年でセリナは8歳になるので労働する事が可能だった。
ずっと前から言ってた事だ。
働きたい、みんなの役に立ちたいと言っていた。
働くのは本人の自由だ、俺には止める権利もない・・・・
しかし、俺はセリナの労働に反対した。
その言葉にセリナは素直に従う。・・・・
そんな妹の態度に怒りを覚えた。
そして、今まで積み重なった不満の感情が爆発した。
妹にひどい言葉を浴びせた。
この4年間ずっと頑張って来た事を否定しまくった
兄妹の縁を切られても文句を言えないような言葉だった。
しかし、これはわざと言った言葉だ。
妹の本心を聞くためにあえてやっている行為だ。
この行為で嫌われても妹から本心を聞き出さなければならない
頼むから・・・・お兄ちゃんと喧嘩をしてくれ。
◇
(セリナ視点)
兄に働きたいと言った。
ずっと前から働きたいと思っていた。ようやく労働が出来る年齢になったので働く事が出来る。労働する事で立派な人間になれる。これでみんなを救える。
と思っていたが兄から返って来た返事は賛成ではなく反対だった。
怒りを覚えた・・・前から、8歳になったら働かせてくれると約束していて、蓋を開ければこれだ。
ウソつき、嫌い。
でも、ここで私が反抗したら今までの苦労が水の泡になってしまう。
良い子にならないと神様はまた私から大切な物を奪っていく。
こんな、感情を持つ事すらも罪なのだと思って、私は素直に兄の言う通りにした。
ここで働きたいとワガママを言う事はいけない事だと思ったから。
兄の元から去る時、急に兄が怒り始める。
私は驚いた
兄は強い言葉で的確に私の怒りを駆り立てる言葉を浴びせてくる。
「なんで、いつも素直なんだよ!!良い子ぶりっ子か?」
「何?急に怒って?」
「そりゃ、怒るさ。働きたいんだろ?仕事したいんだろ?その気持ちがあってなんで俺の反対の意見を受け入れる。」
「・・・・」
「答えてくれないんだな。・・・お前、母さん達が死んでからなんか変だぞ?まるで自分を殺してるみたいだ。母さん達がいた時はお前はもっと素直だったのに。」
「・・・さぃ」
「イエスしか言わない、自分が我慢すれば世界はうまく行くと甘い考えで生きているようだ。世界を舐めてるのか?」
「・・るさい」
「何がしたい?何になりたい?自分をどうしたい?お前は魂の抜けた人形か?自分の意思はないのか?そんなの死んでるのと同じだ!!今のお前を見たら母さん達はどう思う?悲しむぞ?お前は俺にこんなに言われてムカつかないのか?本当に操り人形だな?」
もう、辞めて。
お願い、この4年間を無駄にさせないで私は良い子になるの。
良い子になって神様に嫌われない人間になって、お兄ちゃんを守りたいのに・・・・
お願い、もう少しで本当にいい子になれるの。
お願いだから・・・私を怒らせないで。
「・・・セリナ、お前がどれだけ頑張っても母さん達は生き返らないぞ?何をしても人は死ぬ。」
「うるさぁぁぁいいい!!!!!
『私が頑張っても生き返らない?人は死ぬ?』この言葉で自分を忘れた。
4年間の頑張りを何も知らない、コイツは全部否定してきた。
その瞬間、我を忘れ兄に飛び掛かった。
◇
(スラク視点)
怒りで我を忘れた妹は俺に飛び掛かる、その衝撃に体制を崩し背中から地面に落ちる、地面を背にした状態で妹が馬乗りの様に跨り、俺の顔を殴り始めた。
何度も何度も何度も、
しかしこの行為は俺が妹に言った酷い言葉に比べたら痛い物ではない、甘んじて受けた。
一頻り殴り続けるとセリナが本音を話し始めた。
実に4年ぶりに聞くセリナの本音だ。
俺はそれを静かに聞きすべての感情を出させた。
「お兄ちゃんのバカぁ!!私の気持ちも知らないで、分かった事言って。私がこの4年間どんな気持ちでいたかも知らないで好き勝手に言って。私が悪い子だから・・・
私が悪い子だから、お父さんとお母さんは神様に連れて行かれちゃったんだよ。私が良い子じゃなくなるとみんな私の周りから居なくなっちゃうんだよ。
だから私は今までお兄ちゃんの言いつけも素直に聞いたし、ワガママも言わなかったのに・・・全部台無しだよぉぉぉ!!!」
セリナが耐える事が出来ずに大粒の涙を流し、床に倒れる俺の胸で泣き始めた。
4年間、妹の苦しみに気が付けなかった自分が悔しい、どうしてそんな風に考えてしまったか?
俺には分からないが辛い思いをさせてしまっていた事には変わりない。
「セリナがどうしてそう考えてしまったか分からないがセリナは昔からいい子だ。」
「ウソだよ・・・私がいい子じゃないからお母さん達は。」
「違う、それは関係ない。セリナは納得できないだろうが母さん達が死んだのは・・・運が悪かったそれだけなんだ。」
両親が死んだのはセリナは疎か俺も両親も悪くない。悪かったのは運だけだ。
運の一文字で片づけ切らない思いはある。
俺もそうだ、決して運の一文字で片づけた良い事ではない。
しかし、これが真実だ。
だからこの世界は残酷なんだ。
「運って、そんな言葉で済ませたくない。」
「セリナの言いたい気持ちは分かる、俺も認めたくないが・・・これが真実だ。もしも、出かけるのがもう少し遅かったら。もしも、その日が休みになっていたら。そんな事を考えても無駄だ。全部タイミング、運が悪かった。
だから母さん達が死んだのとセリナは無関係だ。それに・・・ーもしセリナの言う通り神なんてふざけた存在がいて母さん達を連れ去ったとしたら。俺が神を殴ってやる。」
「・・・本当に?」
「あぁ、だから安心しろ。セリナは今も昔も良い子で大好きな俺の妹だ。だから、セリナが本心でやりたい事があったら俺が全力で助けてあげるな。」
「お兄ちゃん・・・・ウザイ」
「あぁ?」
「えへへ、ウソ大好きだよ!」
セリナが悪戯混じりの笑顔で微笑む。
4年ぶりに見る俺の大好きな可愛げのない笑顔だ。
セリナはゆっくりと自分の顔を俺の胸で隠す様に俺を抱きしめる。
「お兄ちゃん・・もう少し泣いてもいい?」
「あぁ、いいぞ。この服汚れても洗うのはセリナだからな。」
「・・・もっと、良い言葉なかったの?」
「兄ちゃんらしいだろ?」
「ウザイ。」
セリナが俺の胸ですすり泣く。溜まっていた4年間をすべて涙として吐き出し終える頃にはセリナは疲れて眠っていた。
仕方なく、涙でぐしゃぎゅしゃな顔を優しく拭いてやり、二階のセリナ部屋に運びベットに寝かせてあげた。
「あぁ~、たまには俺が洗濯するか。」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
~次の日~
(セリナ視点。)
目が覚めたら朝になっていた。
朝日がいつもと違って気持ち良く感じた。
昨日4年間の思いをすべて涙として出したおかげだろう。
・・・てか、昨日あのまま寝たって事は洗濯もしてないしお風呂も入ってなじゃん。
とりあえず、お風呂に入って洗濯をしよう。
私はお風呂に入って、薄着の状態で洗濯物をしようと思い、裏庭の洗濯場に行く・・・・とそこには綺麗に洗濯され干されてる服が並んでいた。
「・・・洗濯は私の仕事って言ってたくせに、お兄ちゃんは。」
私は微笑みつつ、ダイニングに向かった。
そこには美味しそうな朝ごはんとお兄ちゃんの姿があった。
今日の朝食は私が大好きなホットケーキ。
多分昨日の喧嘩のお詫びだと思う・・・私の方こそ悪い事したのに。
「セリナ、おはよう。」
「おはよう、お兄ちゃん。・・・洗濯ありがとう」
「いいよ、セリナの涙が染みついた服は綺麗にするのが大変だったけどな。」
「ウザっ」
お兄ちゃんの顔の傷を見て心がいたくなった。
私が昨日お兄ちゃんを殴った傷だ。
さすがに手を出すのはやり過ぎたと今更後悔する。
「・・・昨日は殴ってごめんね。」
私は素直に謝罪の言葉を口にする。
この件で咎められても文句を言わずにどんな罰でも受け入れる姿勢でいた・・・けどお兄ちゃんは優しい言葉で許してくれた。
「いいって、昨日は俺も酷い事言ったからお相子だ。」
「でも・・・」
それでも自分の気持ちが済まない、どうせなら何か罰をくれた方が気が楽だ。
「何か、罰が欲しいって顔だな・・・分かった、目を瞑れ。」
私はお兄ちゃんの言う通り目を瞑る。
こちらに近寄る足音が聞こえた、一発殴られる覚悟をした。
しかし私を襲ったのは痛みでは無く、頬を優しくまるでお宝を触る様に摘まむ感触だった。
その刺激に驚き目を開けると目の前には兄さんの痣だらけの笑顔があった
「はひふるの?(何するの?)」
「いや、罰だよ。それにしてもお前は昔からほっぺが柔らかいな」
「はめてよ、ほふい(やめてよ、はずい)」
「冗談はこれぐらいにした、セリナへの罰を発表する。」
「じゃあ、なんでほっぺた触ったの?」
まぁ、いいや。
洗濯をしてくれたし、それでチャラにしてあげよう。
「セリナの罰は・・・今後は俺にすべて本音でぶつかって来る事!!母さん達が生きてたみたいにな。」
「それでいいの?」
私の問いにお兄ちゃんは笑顔で返事をしてくれた。
本音かぁ‥
いいね、今まで溜まってた事をすべてを言ってあげよう。
「じゃあ、言うけどお兄ちゃんのハンバーグはクソマズイ!!」
「いきなり、心に来ることを言われたな。」
「初めて作ったハンバーグは特にひどかった。あんな物を良く可愛い妹に食べさせたね?」
「・・・可愛いって?自分で言うか?」
「だって、事実だもん。」
「なんか、ムカつく」
「もう少し、お母さんの味に近づける努力をしましょう。」
「・・・してるって、全く、いつかセリナにうまいと言わせる世界1のハンバーグを作ってやるからな。」
「ふふ、楽しみにしとくね。あと、それから。」
「・・・まだあるのか?」
「嫌がらせで私の嫌いな食べ物を入れないで。朝から大きな声で歌わないで音痴な上に目が覚めちゃう。朝のトイレが長い。洗濯物は裏返して出さないで。」
「・・・おい、セリナその辺で。」
「あと服が臭い、その服が脱げ散らかっていたらマジで最悪、もはや人災。急な雨の時くらいは服を取り込んどいて。前、洗い直ししたんだから。お風呂入る時はちゃんと体を洗ってから入ってね。汚い。・・・それから。」
「はい、セリナのパンケーキ没収!」
「あぁ!!!ごめんなさい、ごめんなさい、!!言い過ぎましたぁぁ」
こうして本当の意味での私と兄の2人暮らしは始まった。
そして、私たちの間で喧嘩が増えた