「シエル、もう出てきていいぞ」
イグナルトは馬車に向かってしゃべりかけると馬車の奥に隠れていた娘のシエルがピョコっと顔を覗かせる
「お父さん、かっこよかったよ」
「はは、そうか?」
「うん、いつものやる気ない姿からは想像できないもん」
「やる気ないは余計だろ・・・間違ってはないが、」
「えへへ、、」
少し談笑を挟んだ後に再び馬車に乗り込んだ。
盗賊に襲われる前と同じくシエルは父親の隣に腰をかける。
するとシエルは手綱を握る父にも寄りかかる、普通の人ならこの行動にあまり意味がないように感じるだろう。
しかしこの行動はある意味を指していた、
それは頭を撫でてほしいだ。
シエルは撫でられるのが好きだが大きくなってからはおねだりできなくなり。こうして回りくどいやり方でアピールするようになった。
イグナルトはその意味を知っていたのでシエルの頭を優しく撫でてあげる、
「どうした?急に甘えて?」
「別に甘えてる訳じゃないよ」
【甘えたい訳じゃない】この言葉は嘘では無かった。
シエルは父親に頭を撫でもらうと言った行為は甘えたいが理由ではない。
もちろん甘えたいの気持ちもあるにはあるが一番の理由は安心できるからである。
先ほどの盗賊に見られた事を心のどこかでは不安に思っていたのだろう、不安を紛らわせる為にも頭を撫でるように欲求してきたのだ
娘のシエルの心には消せない大きな傷がある
それは自分の母親の死。4年前のあの出来事が心の傷になっている。
なので急に不安になったのだとイグナルトもすぐに分かったのだろう。
シエルが落ち着くまで頭を優しく撫で続けた
「お父さん、もう大丈夫・・・ありがとう」
「そうか、何かあってもお父さんが守ってあげるかな・・・-さぁ、馬車を走らせよう、目的の村はもうすぐだ」
【絶対に守る】その言葉にシエルは安心した
馬車を走らせるとすぐに山道を抜けた。
山道を抜けた先には赤、青、黄色と様々な色鮮やかな花畑が広がっていた。
その景色を見たシエルは先程までの不安を一気に消し去り、目を輝かせながら花畑を見ている。
イグナルトもシエルの笑顔を見て安心した
山道を抜けて馬車を15分程走らせると目的の村【フロール村】にたどり着いた、フロール村に着くと一人の老人がイグナルトに話しかける。
「えらく、早かったのぅ」
「あぁ、クソ爺かぁ!」
「ちょっと、お父さん」
開口一番の言葉が【クソ爺】そのあまりにも品がない言葉に娘のシエルも驚く、
「相変わらず、口が減らないガキじゃのぉ、今日は積み荷を壊さずに持ってこれたか、、」
「あぁ、多分大丈夫だと思うぜ」
「多分とは何じゃ、多分とは。」
「いや、完璧に持ってきても、何かしら言いがかり付けて来て運搬費を安くしようとするじゃねぇーか」
「当り前じゃ、これもビジネスの一つ」
イグナルトはシエルにお爺さんに聞こえないように声量を落としささやき合うように話始めた
(いいかシエル、こういったジジイには気を付けろよ、、)
(それは分かったけど。お父さんもあまり汚い言葉使うのはダメだよ、、)
(わかった、シエルの前では気を付ける)
(・・・そういう問題じゃないんだよ。)
「おぬしら、なに密談している?」
おじさんはイグナルト達に尋ねる、二人は一瞬、体をビクッと震わせる、まるで悪戯がバレた子供のようだった
「それよりイグよ、ワシにその荷物の紹介をしんかぁ、、」
「うるせぇ、クソ爺、この可愛い生き物を荷物と一緒にするなぁ、燃やすぞ、、」
(お父さん、なんか楽しそうだなぁ)
シエルは二人のやり取りが仲が良いからこそ出来るものだと理解した。
それからはこの二人のやり取りをコントと思うことにした
「荷物じゃない事ぐらいは分かっとる、いいから紹介しんかぁ」
「たくっ・・・シエル挨拶してあげて」
イグナルトは馬車からシエルを下ろしてあげたするとシエルは父親と啀み合っていたおじいさんにスタスタ歩きお辞儀した、
「初めまして、娘のシエル=ルドベキアです、」
「可愛い嬢ちゃんじゃのぉ、4歳くらいかのぉ?」
「7歳です、もうすぐで8歳になります、、、」
「おい、クソ爺、俺の娘傷つけてんじゃねぇーぞ、ボケェ」
「うるさいわぁ、歳をとりすぎると幼子の年齢とか分からなくなるもんなんじゃよ。シエルの嬢ちゃん悪かったのぉ、ワシはシットこのフロール村の村長じゃ」
「分かりました、シット村長」
「父親に似ずに可愛らしい娘さんじゃのぉ・・・父親に似ずに」
「おい、ジジイ喧嘩売ってるのか?」
「ところでイグよこの娘さんはいくらじゃ?100ギルか?」
「だから、荷物じゃねぇって・・・しかも安すぎだろ。」
「あははは」
シエルは二人のコントの様な会話に笑いを堪えていたがついに我慢できずに笑い出してしまった。
「荷物を下ろしてる間に嬢ちゃんにこのフロール村の案内をしてやろうか?」
「えぇ、いいの!私お花畑見たい。」
「あぁ、よいよい・・アマンダ!!」
村長のシットさんが大声を出すと奥の家の方から女性が現れ、シエル達の方へ駆け足で向かってきた。
イグナルトは馬車に向かってしゃべりかけると馬車の奥に隠れていた娘のシエルがピョコっと顔を覗かせる
「お父さん、かっこよかったよ」
「はは、そうか?」
「うん、いつものやる気ない姿からは想像できないもん」
「やる気ないは余計だろ・・・間違ってはないが、」
「えへへ、、」
少し談笑を挟んだ後に再び馬車に乗り込んだ。
盗賊に襲われる前と同じくシエルは父親の隣に腰をかける。
するとシエルは手綱を握る父にも寄りかかる、普通の人ならこの行動にあまり意味がないように感じるだろう。
しかしこの行動はある意味を指していた、
それは頭を撫でてほしいだ。
シエルは撫でられるのが好きだが大きくなってからはおねだりできなくなり。こうして回りくどいやり方でアピールするようになった。
イグナルトはその意味を知っていたのでシエルの頭を優しく撫でてあげる、
「どうした?急に甘えて?」
「別に甘えてる訳じゃないよ」
【甘えたい訳じゃない】この言葉は嘘では無かった。
シエルは父親に頭を撫でもらうと言った行為は甘えたいが理由ではない。
もちろん甘えたいの気持ちもあるにはあるが一番の理由は安心できるからである。
先ほどの盗賊に見られた事を心のどこかでは不安に思っていたのだろう、不安を紛らわせる為にも頭を撫でるように欲求してきたのだ
娘のシエルの心には消せない大きな傷がある
それは自分の母親の死。4年前のあの出来事が心の傷になっている。
なので急に不安になったのだとイグナルトもすぐに分かったのだろう。
シエルが落ち着くまで頭を優しく撫で続けた
「お父さん、もう大丈夫・・・ありがとう」
「そうか、何かあってもお父さんが守ってあげるかな・・・-さぁ、馬車を走らせよう、目的の村はもうすぐだ」
【絶対に守る】その言葉にシエルは安心した
馬車を走らせるとすぐに山道を抜けた。
山道を抜けた先には赤、青、黄色と様々な色鮮やかな花畑が広がっていた。
その景色を見たシエルは先程までの不安を一気に消し去り、目を輝かせながら花畑を見ている。
イグナルトもシエルの笑顔を見て安心した
山道を抜けて馬車を15分程走らせると目的の村【フロール村】にたどり着いた、フロール村に着くと一人の老人がイグナルトに話しかける。
「えらく、早かったのぅ」
「あぁ、クソ爺かぁ!」
「ちょっと、お父さん」
開口一番の言葉が【クソ爺】そのあまりにも品がない言葉に娘のシエルも驚く、
「相変わらず、口が減らないガキじゃのぉ、今日は積み荷を壊さずに持ってこれたか、、」
「あぁ、多分大丈夫だと思うぜ」
「多分とは何じゃ、多分とは。」
「いや、完璧に持ってきても、何かしら言いがかり付けて来て運搬費を安くしようとするじゃねぇーか」
「当り前じゃ、これもビジネスの一つ」
イグナルトはシエルにお爺さんに聞こえないように声量を落としささやき合うように話始めた
(いいかシエル、こういったジジイには気を付けろよ、、)
(それは分かったけど。お父さんもあまり汚い言葉使うのはダメだよ、、)
(わかった、シエルの前では気を付ける)
(・・・そういう問題じゃないんだよ。)
「おぬしら、なに密談している?」
おじさんはイグナルト達に尋ねる、二人は一瞬、体をビクッと震わせる、まるで悪戯がバレた子供のようだった
「それよりイグよ、ワシにその荷物の紹介をしんかぁ、、」
「うるせぇ、クソ爺、この可愛い生き物を荷物と一緒にするなぁ、燃やすぞ、、」
(お父さん、なんか楽しそうだなぁ)
シエルは二人のやり取りが仲が良いからこそ出来るものだと理解した。
それからはこの二人のやり取りをコントと思うことにした
「荷物じゃない事ぐらいは分かっとる、いいから紹介しんかぁ」
「たくっ・・・シエル挨拶してあげて」
イグナルトは馬車からシエルを下ろしてあげたするとシエルは父親と啀み合っていたおじいさんにスタスタ歩きお辞儀した、
「初めまして、娘のシエル=ルドベキアです、」
「可愛い嬢ちゃんじゃのぉ、4歳くらいかのぉ?」
「7歳です、もうすぐで8歳になります、、、」
「おい、クソ爺、俺の娘傷つけてんじゃねぇーぞ、ボケェ」
「うるさいわぁ、歳をとりすぎると幼子の年齢とか分からなくなるもんなんじゃよ。シエルの嬢ちゃん悪かったのぉ、ワシはシットこのフロール村の村長じゃ」
「分かりました、シット村長」
「父親に似ずに可愛らしい娘さんじゃのぉ・・・父親に似ずに」
「おい、ジジイ喧嘩売ってるのか?」
「ところでイグよこの娘さんはいくらじゃ?100ギルか?」
「だから、荷物じゃねぇって・・・しかも安すぎだろ。」
「あははは」
シエルは二人のコントの様な会話に笑いを堪えていたがついに我慢できずに笑い出してしまった。
「荷物を下ろしてる間に嬢ちゃんにこのフロール村の案内をしてやろうか?」
「えぇ、いいの!私お花畑見たい。」
「あぁ、よいよい・・アマンダ!!」
村長のシットさんが大声を出すと奥の家の方から女性が現れ、シエル達の方へ駆け足で向かってきた。