「ねえ、ねえ、キラ君。あのさー」
「キラー、今日さー」
「キラ様!今日もー」
「キラ、キラ。さっきさぁー」

 みんなが好き勝手に話し始めて、誰が何を言っているのか聞き取れない。それがおかしくて、僕は思わず声に出して笑った。

「あー!キラ君が笑っている」
「本当だ!」
「キラ様の笑顔は神!」
 キラの笑顔を素早く見つけて、会話にするのは女性陣だ。

「キラを笑わせたのは俺だ!」
 すぐに自己主張するアレス。
「えー!私だよ」
 負けずに言い返すルタ。
「いやいや、俺たちだって!」
 双子のカルとポールも譲らない。
「いいえ、私が笑わせたのです!」
 キラオタクのアクナが言い返す。

 口々に言い合っている友人たちを見ながら、
「みんな、ありがとう。僕はまたみんなと一緒にいられて嬉しいよ」
 僕がそう言うと、みんなは、ぽかーんとした顔で僕を見ていた。

「何言ってんだよ、キラ!俺たちは、いつも一緒だったじゃないか。お前が嫌だって言ったって、俺たちは未来永劫ずっーと一緒だ」
 力説するアレス。
「そうですよ、キラ様。あなたは私たちの星!私の最推しなんですから、永遠に輝き続けるのは当たり前です」
 アクナは、自作のキラグッズを見せながら言った。
「キラ君は、キラ君でいれば良いんだよ。どんなキラ君も素敵だから」
 ルタは、手でグッドボタンの動作をしながら頷く。
「キラは俺たちのヒーローさ。キラが行く所は、どこへでもついて行くよ」
 カルとポールは、キラの両肩に手を掛けながら笑った。
「キラ君。あなたの側にいるのは、私たちの願いです。だから、いつまでも友達でいてくださいね」
 キャミは、少し恥ずかしそうな顔で笑っている。

「それに、キラ君のことはみんな大好きだから」
 ルタは、手でハートマークを作ってウインクする。
「そうそう!キラのことを1番好きなのは、俺だけど!」
 アレスは、ルタに負けじと大きなハートマークを頭の上に作る。
「いやいや、私です!キラ様オタクの私に勝てる人はいません」
 アクナは「どこからそれを出したの?」というぐらい巨大な扇子(もちろん、キラの笑顔つき)を見せながらアピール。
「違うって!俺たちだよ。ずーっと一緒にいたのは俺たちだから」
 アクナの巨大扇子に若干引きつつ、カルとポールもキラにべったりとくっ付きながら言い返す。
「私の方が、ずーっと側にいたもんねー!」
 ルタは少し口を尖らせて、双子たちに人差し指を動かして「違う!違う!」という動作をしている。
 ピアはみんなの発言に出遅れながらも、しっかりとキラに向かって言った。
「私が1番大好きの気持ちが大きいの!」