守護星人たちに案内されながら辿り着いた先に、クリスタルと水で作られ、その中に金の粒が舞っている大きな扉があった。

「さあ、キラ様。こちらの扉の中にお入りください。我々は、外でお待ちしております」
 守護星人たちは深く頭を下げ、キラを1人で扉の中へと入らせた。

 キラが扉の中に入った途端、その空間が一瞬で別の空間に切り替わった気がした。そこは宇宙空間のような所で、足元がふわふわとしてバランスを取るのが難しかった。
「力を抜きなさい」
 テレパシーのような音で、頭の中にメッセージが届く。
 言われた通りに力を抜くと、自然とバランスが取れて自由に動き回れるようになった。

(すごい!)

 大きなバランスボールの中に入って、自由自在に転がっているような気分だった。

(面白い!)

 あちこちに光っている星が見えたので、それに向かって転がって行く。光っている星とぶつかると、星が弾けて別の方向へ飛んで行く。

(ピンポン玉が弾けているような感じだな)

 楽しくて、光っている星を何度となく飛ばした。
 さすがに(少し疲れたなー)と思っていると
「星を飛ばすのは楽しかったかな?」
 誰もいないと思っていたのに、まるで誰かがどこかでキラを見ているかのような口ぶりに、キラは少し焦った。
「安心しなさい。我々は君を待っていた。光る星は気に入ってくれたかな?」
 キラの頭の中に届く言葉は高い周波数で送られてくるので、キラ以外は受け取れない。もし他の星の子たちがいたら、彼らには自然の中で聞こえる風や水の音のように聞こえるだろう。
「はい。気に入りました。とても楽しかったです」
 相手の姿は見えないが、キラは素直に答えた。キラの返事が気に入ったのか、相手は機嫌良く話し始めた。