「キラ!キラ!」
「キラ君!」
 アレスやルタが、必死でキラの名前を呼ぶ。
「大丈夫ですか?」
「キラ君、目を開けて〜!」
 キャミとピアも声をかけ続ける。
 キラを呼ぶ友人たちの声が聞こえて、キラは目を開けた。

「キラ様!良かった!目を開けた〜!」
 アクナは、キラ応援グッズを手に持ち喜んでいる。
「キラ!心配したんだぞ!」
 怒り口調だが、怒っていないアレスもほっとした表情だ。
「キラ君、探しました!」
 キャミは、いつも通りの優しい口調で微笑んでいる。
「キラが無事で安心した〜!」
 双子のカルとポールも「僕たちが最初に見つけたんだよ!」とキラに自慢している。

 友人たちの心配そうな顔とほっとした顔を見て、キラは「ごめんね」と謝った。
 キラは救護室のベッドで寝ていたが、いつどうやってここまで戻って来たのかキラにも分からなかったので、友人たちに説明出来なかった。

「とにかく、キラが無事で良かったよ!」
「うん、うん」
 アレスの言葉に頷く友人たちの顔は、少し疲れて見えた。

「みんな。ありがとう。僕を探してくれて。僕はもう大丈夫だから」
 キラが笑顔で言っても、友人たちはまだ心配そうな顔をしてキラを見ていた。

「みんな。僕は本当にもう大丈夫だからね。急に眠くなって、気が付いたらこのベッドで寝ていた。今は頭もすっきりしているし、目も覚めて元気になったよ。だから、もう心配しないでね」
 キラの言葉を聞いて、ようやく友人たちの表情に明るさが戻ってきた。

「本当にもう大丈夫なんだな?どこも痛くないな?」
「うん。大丈夫。どこも痛くない」
 アレスの問いかけに、キラは笑顔で答える。

「じゃあ、お腹も空いてきたし、何か食べに行こうよ!」
 ルタもキラの笑顔を見て安心して、元気よくみんなを誘う。
「いいねー!賛成!」
 双子たちは、お腹が空きすぎて「もう電池切れになりそうだよ!」とポケットからチョコを取り出して食べている。
「私も!私も!お腹が空いてきました!」
 ピアもようやくほっとした顔で言っている。
「本当!安心したら急に気が抜けて、お腹空いてたのを思い出したー!」
 キャミもアクナも「ねー!」と言いながら、お腹をさすっている。
 
「きゅるるるるる〜!」
 一斉に友人たちのお腹の音が鳴り始めて、みんなで大声で笑った。