「お帰り！どうだった？」
「楽しかった！」
「あっという間だったねー」
　ルタの声かけに、キャミとアクナが楽しそうに答える。

「もう１回乗りたいな！」
「乗りたい！乗りたい！」
　双子のカルとポールは「本当の宇宙空間みたいだったね！」と興奮気味だ。

「でも、キラ君がまだだよ」
　ピアが心配そうな顔で言う。
「本当だね。キラ君はどうしたのかな？」
　ルタも（キラを見ていない）という顔をしている。

「キラは戻って来ていないのか？」
「うーん。誰も見ていないね」
　アレスは周囲をきょろきょろと見渡し、双子たちもさっきまでの興奮が一気に収まって、キラを探す。

　友人たちは心配そうな顔で、キラを待った。だが、いつまで待ってもキラは戻って来ない。
「乗り場の係の人に聞いてみようよ！」
「そうだね。何か知っているかもしれないし」
　キャミの提案にルタが答え、みんなが頷く。
「行こう！」
　アレスがみんなの先頭に立ち、足早に乗り場に向かう。みんなはもう1度並んで、乗り場の係の人に聞いてみた。

「僕たちと一緒に乗った友人が、まだ戻って来ていないみたいです。何か知っていますか？」
「ええと、確認してみます。お待ちくださいね」
　普段と違って丁寧な口調でお願いするアレス。友人たちは不安そうな顔をしている。

　係の人は、何かを確認して友人たちに言った。
「申し訳ありませんが、すべての乗り物は帰って来ています。ご友人も戻って来ていると思います。もう少し探してみてはいかがですか？」
「そうですか。ありがとうございます。もう1度探してみます」
　友人たちは何か変な感じがしたが、もう1度キラを探してみることにした。