キラたちは、赤の星門と言われるレッドゲートの中にある、巨大な遊園地の中に来ていた。そこには、奇想天外な乗り物が何百種類もあり、毎日来ても遊びきれないほどだ。
 その中でも、今1番人気の乗り物の前にキラたちは来ていた。
 水のようなゼリー状の形態の丸い球体の中に入って、宇宙空間を光速体験出来るジェットコースターだ。行き先、速さ、時間などを自由に選択して、自分の好みに設定出来る所も人気だ。

「みんな、どこに行く?私はアンドロメダ銀河かなー?」
 ルタがみんなに質問をする。
「俺はオリオン」
「俺たちはシリウス」
 アレスと双子たちは「名前がカッコいいし、この星の星の子たちと会いたい!」と話している。
「私は金星」
「私はリラ」
「私はアークトゥール星」
 アクナは「金星ってピカピカ光っていて綺麗そう」という基準で選び、キャミとピアは「ちょっと神秘的な星がいい」という理由で選んだ。
「キラはどこに行くんだ?」
 アレスに聞かれたが
「んー!乗ってから考えようかな?」
 キラは迷って決めかねていた。
「そっか。あっ、でも、乗るとあっという間に出発時間になるから、今のうちに候補は考えておけよ」
「うん。分かった」
 
 さすが人気なだけに、列に並ぶ星の子たちがたくさんいたが、みんなでお喋りしていたおかげであっという間に順番が回って来た。
「いよいよだね!」
「うん。楽しみ」
 ルタとキャミは、待ち時間の間に少し緊張がほぐれていた。
「選べる時間は5分までだから、意外と早く帰って来ちゃうね」
 双子たちは「もっと長く乗りたい!」と言っている。
「俺は、マックスまで速さを上げるぞ〜!」
 スピード狂のアレスにとっては、時間より速さが重要だ。
「えー?速すぎない?周りがよく見えないかもよ?」
 ルタは「速ければいいってもんじゃないでしょ!」と小言を言う。
「いいの!いいの!速ければ問題なし!」
 今日のアレスは、ルタの小言も気にならないくらい速さにこだわっている。
「私は風景も楽しみたいから、ゆっくり速度かな」
「私もー!のんびりがいい」
 キャミとピアは、周囲の風景をじっくり観察するのがお好みだ。
「俺たちは、初めゆっくり、途中から高速で行こうかなー」
「それもいいね!」
 双子たちの案に、アクナも「私もそうしようかな」と乗っている。
「じゃあ、みんな後で下で待ち合わせでー!」
 ルタの掛け声にみんなは「OK!」と言って、乗り物に乗り込んだ。