キラが何か言っても、結局みんなは、好き勝手にキラのことを言うのは変わらない。だから、好きに言わせておくのが1番得策なんだとキラも分かっている。
「でも、みんな。僕は神様じゃないんだからね」
「はいはい。分かってます!それでも、キラは俺たちの1番なの!」
 アレスと双子たちは、キラの言うことがよく分かっている。それでも、満面の笑顔でこうもはっきりと言われると、キラも悪い気はしない。

(まったく。しょうがないなー。僕は、そんなに素晴らしい人じゃないんだけどな)
(どうして、みんなは僕のことを、こんなにも好きだと思ってくれているんだろう?)
(もしかしたら、過去の時代に何か関係しているのかな?)
(僕が見た夢の内容や、もっと詳しい情報が得られれば、手掛かりが掴めるのかも。後で、もう一度、記憶図書館に行って調べてみよう。でも今は、目の前のことを楽しもう!)

 キラが前向きな気分でいられるのも、友人たちのおかげだ。彼らと一緒にいると、自然と笑顔が増えて心が和む。真面目に考えてしまうキラには、ぴったりの友人たちだ。

「今日はどこから行く?」
「やっぱりあれでしょ!」
「うん、うん。あれだね!」
 キャミの質問に、双子たちはすぐに答える。
「いいねー!久しぶりにスカッとしたいね!」
 ルタもすぐに賛成する。
「そう、そう!みんなとだから、余計に楽しいかも!」
 ピアも賛成しながら「キラ君がいるからだよ」とすぐに妄想し始める。
「おー!叫ぶぞー!」
 双子たちは「今から練習だ!」と言ってもう叫んでいる。
「な!キラもそれでいいだろう?」
 アレスに当然のように聞かれたキラは
「ん!?どこ?」

 みんなには通じているが、キラにはまったく伝わっていない会話で、最初の行き先は決定した。

「用意はいいか?」
 アレスはみんなに確認する。
「久々だから緊張する〜」
 ルタの口調は嬉しそうだ。
「けっこう高くない?」
「天井まで届きそうだね」
 アクナとキャミは、大きさに驚いている。
「これって、1番最新なの?」
 ピアの質問に、双子たちは得意げに答える。
「そう!つい最近出来たばかり」
「今、1番の話題の乗り物だよ」