「おーい!キラ君〜。こっちこっち〜!」
「あっ!キラ!やっと来た!」
「キラ君〜。待ってたよ〜」
「キラ様〜!こちらです〜」

 キラを見つけると、友人たちは嬉しそうな顔で手を振り「早く!早く!」とキラを急かした。

「ごめーん。みんな。お待たせ」
 少し小走りで走って来たキラに
「いいよー。キラ。俺は全然待っていないぞ!」
 キラに1番に話しかけたのは、アレスだ。
「私たちも、今、来た所です」
 キャミは、嬉しそうな顔で話しかける。
「そうそう。ちょうどいい感じに到着したね!」
 双子のカルとポールも、キラに会えて嬉しそうだ。
「キラ君だったら、何時間でも待っちゃうよー」
 ルタは、キラだけには特別な対応を取るが、他の男性陣には塩対応だ。
「うん。キラ君は特別!」
 ルタの言葉に同意見のピアもアクナも、キラには別待遇だ。

 みんなはキラが来て、とても機嫌がいい。
 でも、キラは約束の時間より遅れたような感じがして、みんなに謝った。
「うんうん。少し遅れたと思うな。ごめん」
「そんなことないよ」
「そうそう。キラが来た時間が、正しい待ち合わせの時間だから」
 キラの言葉に双子たちが「当然だ!」という顔で言う。
「えっ?そうなの?」
 キラは、双子たちの言葉に驚いている。
「そうだよ。俺たちは、いつでもキラを基準にして考えているから」
 アレスも、キラが来るなら「何時でもいい」という感じだ。

「キラ君が世界の中心なの」
 ピアは、頭の中の妄想が肥大化したような口ぶりだ。
「キラ君と同じがいい」
「うんうん。キラ君が正しい」
 キャミとルタも、男性陣の意見に同意しながら「キラ君が1番だよねー!」と確認し合っている。
「私のキラ様は神ですから!」
 アクナの発言に、すぐにアレスの眉は釣り上がり(キラはお前の物じゃねーよ!)と言いたげな顔をしている。

(またみんなが変なことを言っている・・・・・)

「ねえ、みんな。僕は世界の中心じゃないから。僕たち1人1人が、自分の人生の主人公でしょ!」
「それは分かっている。でもな、俺たちは、キラが主人公でいいんだ」
 アレスがキラに向かって「キラが主人公だ!絶対だ!」と言い聞かせている。
「そうだよ。キラ君が主人公でリーダー」
「私のキラ様は、この世界の太陽ですから」
 ルタもアクナも「キラが主人公の物語があればいいのに!」と盛り上がっている。
「俺たちのキラだから、俺たちと一心同体なの」
 双子のカルとポールも「俺たちとキラで三つ子になる〜!」と言って騒いでいる。

「つまり、キラ君のことが大好きってことです!」
 いつの間にか空想から目覚めたピアが「やっぱり実物のキラ君の方がかっこいい〜!」とキラを見つめている。
「おい!待て!俺のキラだから、キラのことを1番好きなのは、俺だ!」
 アレスの独占欲は、キラだけに向けられた忠誠心からくるこだわりだ。
「いやいや、俺たちのキラだから」
 双子たちは、キラを真ん中に挟んで腕を組み「キラは僕たちのことが1番好きだよねー」と顔を見合わせて聞いている。
「いいえ、私たちのキラ君です!」
「私のキラ様は、誰にも渡しません!」
 ルタとキャミが腕を組みながら、双子たちに対抗している。
 アクナは「キラ様LOVE」と書いたオタグッズを持ちながら、大きな声で叫んでいる。