記憶図書館のすぐ近くに、星の子が学ぶためのグレートホールと呼ばれる大きな講堂がある。
 古代の神々が、神殿として使用していた場所を再現したような荘厳な造りで、天井まで高く積み重ねられた書架は、何連も連なっている。
 この場所の中央にも「創造の木と泉」がある。
 こちらの創造の木からも、水の玉がぽんぽんと生み出されているが、その中には、あらゆる種族の言語に対応する周波数エネルギーが入っている。そのため、星の子たちは、気軽にグレートホールで学びを受けることが出来る。
 さらに、誰でもグレートホールで、先生として講義が出来る。自分の知っていることや、思いついたことなど、自由に発言出来るのが人気だ。
 でも今回キラは、別の領域から来る先生の講義を受ける。
 星の子たちの話によると、先生は、古代、天界、神界などの情報に詳しく、2000年以上もこの世界に存在しているとか⁉︎
 そんな噂話を耳にしたからか、キラの頭は眠いのが吹き飛んで、先生の話にもますます興味が湧いていた。


「水」というのは、とても不思議だ。
「水」は、叡智と意志を持っている。
 なぜなら、この世界のすべてをコントロールしているのは、実は「水」だからだ。
「水」は、あらゆることを記憶する。
 そして、「水」のネットワークを使って繋がり合い、情報交換を行っている。
 何かを知りたければ「水」に聞けばいい。
 答えは瞬時に送られるが、受け取れるかは本人次第だ。
「水」が主導権を握っているこの世界で、逆らえる者などいない。
「水」と調和すること。
 これが、1番生きやすくなる方法だ。
「水」の声を聞き「水」と調和する。
 そうすると「水」はパートナーとなり、友人として力を貸してくれる。

 私もこうして、毎回この場所に来て講義が出来るのも「水」のおかげだ。
「水」を通して空間を移動し、あらゆる叡智の源と繋がり、記憶を共有する。
 そして、みなさんと一緒に、私が得た情報を分かち合う。
 みなさんがその情報を通して感じた思いを「水」が受け取って、再び「水」がみなさんの思いをこの世界へと伝えていく。

 星の子のみなさん。
 あなたが今、何を思い、感じ、願ったのか。
 そのことがこの世界に与える影響は、みなさんが考えているより大きくて重要なのです。