みんなの話を聞きながら、キラだけは胸の中がザワザワしていた。

「ねえ、みんなはフェス行くの?」
 キラが聞くと
「行くよー!絶対!面白そうじゃん!」
 そう言って、みんなはフェスの話で盛り上がっている。でも、キラだけは複雑な顔をして、考え事をしていた。

「キラ君、どうしたの?」
 キラの様子を気遣うピア。
「何か悩み事か?キラ?」
 アレスもすぐに尋ねる。
 そう聞かれて、はっと我に返るキラ。
「うん。何でもないよ」
 そう言って、少し表情が硬い笑顔で答えた。

「本当に?何かあるなら言ってくださいね」
 優しくキャミが言う。
「そうだよ、キラ。何か言いたい事があるなら、言えよ」
 アレスの顔には「俺に頼ってくれ!」と書いてある。

 お喋りしていたみんなも、キラの顔を見つめる。
 みんなの顔を見ていたら、答えの出ないことを1人で考えていた自分がおかしく思えた。

「うん。ありがとう、みんな」

(そうだ!今は過去とは違うんだ。みんなが側にいてくれる。みんなと一緒に楽しまないと!って、あれ? 何でみんなと過去にいたって思うんだ?
 何かぽっかりと記憶を忘れている気がする・・・・)

 キラは(大事なことを忘れている気がする・・・・)と思ったが、みんながキラの言葉を待っているので答えた。

「僕は、黄金都市と虹の花について、もっと詳しく知りたいんだ」