みんな好き勝手に話をしている。でも、こんな雰囲気が楽しくて好きだな、とキラは思った。

「でもー、キラ君のイケメンが世界中の人々に知れ渡って、もっと人気者になったらどうしよう?」
 心配性のピアが不安そうに聞く。
「どうって?」
 アレスは、ピアが何を心配しているのかが分からない。
「だって、私たちのキラ君なのに、みんなのキラ君になっちゃうじゃん!」
「追っかけとか、ストーカーとか、ファンクラブとか、色んな人たちがキラ君の周りをうろつくかも⁉︎」
 ルタの言葉にアレスは驚いて
「それは困るな。俺たちのキラだもんな」
「そうでしょう!キラ君の貞操は守らないと!」
「貞操って何だよ?キラのどこを守るって言うんだよ!」
 ピアの発言に、アレスは焦って語気が荒くなる。
「プライベートよ。プライベート!」
 ピアは真面目な顔で「大事でしょ!」と言っている。
「キラ君は優しいから、イヤって断れないんじゃない?」
 ルタもピアと一緒になって「大事だよね!」と言っている。

「笑顔ですべてを受け入れますってか?」
 アレスは半信半疑だ。
「それはないだろう?いくら何でも・・・・・」
 カルもアレスと同意見。
「いやいや、オタクを舐めんなよ!キラ君を見たら、お近づきになりたいってガチなやつらも大勢出てくるはず!」
(それはお前だろう!)というツッコミをアスナに入れそうになったアレスは
「じゃあ、俺たちがキラをがっちりガードしようぜ!」
「でも、四六時中、見張ることは出来ないしなー」
「どうする?」
 アレスの提案に双子たちは悩む。それを見てみんなも「うーん」と考える。

 みんなの話が変な方向へ行ってる。でも、僕は真剣に悩んでいるみんなを見て、なぜかおかしくてまた笑ってしまった。

「もう!キラ君。笑ってないで真剣に考えてよ!」
 ルタが少し怒り口調で言う。
「そうだよ、キラ!お前のことなんだぜ」
 アレスの口調はキツいが、キラを心配しているのだ。
「まあまあ。キラ君には俺たちがついているから大丈夫だよ」
 双子たちは、あっけらかんとして言う。
「お前たちは、戦力外だよ!」
「えー⁉︎」
 アレスにバッサリと切られ、「そんなことない。俺たちは最強だ!」と双子たちは叫んだ。