目覚めると、まばゆい大きな光が僕の体全体を照らしていた。
　はるか遠くに見える地平線からゆっくりと昇ってくる光は、この世界のすべてを覆い尽くすほど眩しい。
　遮る物がまったくない真っ平なこの場所は、写し鏡のように上空にあるすべての景色を映し出すくらい透明だ。
　それは一点の曇りもない水面のように大変美しい。その上、全体がキラキラとして見える。雪の結晶のような星の砂が、光を浴びて輝いているからだ。

（ここはどこだろう？）

　僕を包む光は暖かく、僕を歓迎してくれているように思えた。

「やあ、目覚めたかい？」

　周囲には誰もいないが、僕の頭の中に声が届いた。
　僕はその声に多少驚いたが、それよりも声の主を懐かしく感じている僕に戸惑っていた。

「あのー？あなたは誰ですか？」

　頭の中で声が聞こえたのに、口から言葉が出ていた。

「私は君のことを知っているよ。君のファンでもある。それに何度も会っている。でも、今回は初めましてかな」

（何回も会っているって言ってもな。僕には姿が見えないけど）

　そう思っていると

「私はあらゆる場所にいる。君が何を思い、考え、感じ、選ぶのか。すべて見ているよ」

（もしかして、神様なのか？）

　僕がそう思うと、声の主は笑ったように感じた。
　遠い昔、どこかで出会ったことがあるような親近感と安らぎが、声の主から伝わってきた。