◇◆◇
それからというもの。私は冬馬さんが経営している夜カフェに足繁く通うようになっていた。
今までのようなただの客と店員ではなく、お互いの名前を呼びあって知り合いとして親しげに声を掛けて貰える。
ただ、嬉しかった。
さりげなく仕事中の彼を観察してみると、冬馬さんはカフェで働いている従業員たちにも好かれているようだ。何もかも揃っている上に、人柄まで良かった。
休日の早朝、なんとなく目が覚めてしまった私は、今ならまだ営業中で冬馬さんに会えるんじゃないかと思い、閉店まであの夜カフェに行くことにした。
ぼんやりとした夜明けの光の中で、なんとなく飲む前のカフェモカの写真を撮影しようとした時、動画の録画ボタンを間違えて押した私に冬馬さんが、後ろから声を掛けてきた。
「あれ。おはよう。まゆちゃん。もう少しで、ここは閉まるけど」
「……しっ……知ってます。」
お店の中に何処にも居ないと思ったら、どうやらどこかに隠れて居たらしい。
私は慌てて、録画停止のための赤いボタンを押した。
間抜けな停止音がポコンと鳴って、どうやら挨拶の声だけ掛けてから通り過ぎようとしていた冬馬さんの気を引いてしまったらしい。
それからというもの。私は冬馬さんが経営している夜カフェに足繁く通うようになっていた。
今までのようなただの客と店員ではなく、お互いの名前を呼びあって知り合いとして親しげに声を掛けて貰える。
ただ、嬉しかった。
さりげなく仕事中の彼を観察してみると、冬馬さんはカフェで働いている従業員たちにも好かれているようだ。何もかも揃っている上に、人柄まで良かった。
休日の早朝、なんとなく目が覚めてしまった私は、今ならまだ営業中で冬馬さんに会えるんじゃないかと思い、閉店まであの夜カフェに行くことにした。
ぼんやりとした夜明けの光の中で、なんとなく飲む前のカフェモカの写真を撮影しようとした時、動画の録画ボタンを間違えて押した私に冬馬さんが、後ろから声を掛けてきた。
「あれ。おはよう。まゆちゃん。もう少しで、ここは閉まるけど」
「……しっ……知ってます。」
お店の中に何処にも居ないと思ったら、どうやらどこかに隠れて居たらしい。
私は慌てて、録画停止のための赤いボタンを押した。
間抜けな停止音がポコンと鳴って、どうやら挨拶の声だけ掛けてから通り過ぎようとしていた冬馬さんの気を引いてしまったらしい。