「大丈夫大丈夫。まゆちゃん可愛いから、今日は大サービスね。いつもはこういう人助けは、うちのメニューに載ってないから気を付けて」

 冬馬さんはそう言いつつ、茶色みがかった片目を瞑った。

 私はここ何年も私を悩ませていた原因を、彼がどうにかしてくれるならと、振動が止まらない着信に勇気を出して画面の通話ボタンを押した。