「そうですね……美味しくないものは、食べたくないかも」

 美女好きだという噂の吸血鬼の目から見れば、平々凡々な私はゲテモノに見えるのかもしれない。

 私だって食べ付けないゲテモノを、良かったら食べる? と言われても、抵抗あるし好んでは食べない。

「ははは。待って。それで納得するんだ。嘘だよ……もし、飲みたいって言ったら、君は俺に血を飲ませてくれる?」

「……今はダメです。貧血気味なんで。夜寝る前とかなら」

 上目遣いのイケメンのおねだりっぽい言葉に、私は首を横に振った。

 これは別に彼に血を飲まれたくない訳ではなく、単なる私の身体の事情。