「……あ! もしかして……だから、あのカフェは夜しかやっていないんですか?」

 カフェって明るい昼間に行くイメージだったし、十八時から早朝まで営業の夜オンリーカフェって、都内でも珍しいとは思ってたけど……。

「そうそう。俺は純粋な吸血鬼の祖先とは違って、だいぶ人と混じって日光に耐性はあるんだけど、ずっと日光を浴びるのは流石にキツい。光はいつまでも苦手だね。だから、ああいう夜カフェ開いたんだ。カフェを開くのが、俺の子どもの頃からの夢だったから」

「え? あのカフェって、自分のお店なんですね。すごい……」

 都心のビルで店を借りて、しかもその上でこんな生活出来るくらいの売り上げをあげているなんてすごい。

 私と同じくらいの年齢ですごく若そうなのに、どうやらこの彼は既に成功した青年実業家みたい。

「あのさ。自分から聞くのもなんだけど、嫌じゃないの? そんな普通のテンションで納得されても、俺は対応に困る。悲鳴あげなくて良いの? 吸血鬼だよ。俺」