意味ありげな笑みを浮かべた彼が座っているのはベッド……ここには棺桶とは別に、大きなベッドもあった。
「いやー……俺も眠った君をここのベッドに寝かせてから、それを別の部屋へ片付けようとしたんだけど、急に目を開けたと思うと、テキパキと動いて普通にその中に入って行っただろ? しかも、こてんと熟睡するし……何かと思ったよ」
「え……っ、変な趣味があるんですね。どうして、部屋に棺桶があるんですか?」
私も部屋に置かれた棺桶で日々眠っているので、人のことを言えないけど……ここでそれを聞かないのもそれはそれでおかしいし、私はドキドキしつつ彼に素知らぬ顔で質問した。
「いや、ここまでの会話と、部屋に棺桶があることでわからない? 俺って、現代を生きる世にも珍しい吸血鬼なんだけど。ほら。これが牙」
彼は内側から頬の皮膚を人差し指で強く押して、八重歯が良く見えるようにした。
可愛く思えるヤンチャな仕草と、とても不穏な発言が合ってなくて違和感でしかない。
「いやー……俺も眠った君をここのベッドに寝かせてから、それを別の部屋へ片付けようとしたんだけど、急に目を開けたと思うと、テキパキと動いて普通にその中に入って行っただろ? しかも、こてんと熟睡するし……何かと思ったよ」
「え……っ、変な趣味があるんですね。どうして、部屋に棺桶があるんですか?」
私も部屋に置かれた棺桶で日々眠っているので、人のことを言えないけど……ここでそれを聞かないのもそれはそれでおかしいし、私はドキドキしつつ彼に素知らぬ顔で質問した。
「いや、ここまでの会話と、部屋に棺桶があることでわからない? 俺って、現代を生きる世にも珍しい吸血鬼なんだけど。ほら。これが牙」
彼は内側から頬の皮膚を人差し指で強く押して、八重歯が良く見えるようにした。
可愛く思えるヤンチャな仕草と、とても不穏な発言が合ってなくて違和感でしかない。