家に帰ると、僕が結果を尋ねる前に詩音さんから連絡が来ていた。
僕は執筆するためにパソコンを取り出すより早くLINEを開き、詩音さんからのメッセージを確認する。
『結論から言うと、やっぱり春香は悪くなかったみたい』
一文目に綴られていたその言葉を確認して、僕はほっと安堵の息を吐く。
だがそれ以降にも長い文章が続いていて、読む気を少し失いながらも詳細を確認する。
『春香が私たちに嫌がらせし始めたのは、歪んだ愛って感じっぽい。私と文也くんが出会って、遊園地に行ったことがあったと思うんだけど、その時に私はお金を使いすぎちゃって、しばらく春香たちと遊びに行くのを自重してたんだよね。そうしたら、どうやら私が文也くんに取られたみたいに感じちゃったらしくて、文也くんに嫌がらせして私から離れさせようとしたんだって。でも文也くんは全然動じないし、私から離れる様子もなくって、しかも私が文也くんを庇い始めたから、自分に振り向いてくれない詩音なんていらないって思って私にも嫌がらせし始めたらしいよ』
読み終わって第一に抱いた感想は、「山咲さん普通に悪いじゃん」だった。
しかしどうやら文章には続きがあったらしく、詩音さんからは次のメッセージが送信された。
『春香がこんな考え方になっちゃったのは、深い深い理由があるらしいの。春香は、両親に虐待されて、それが愛だって教え込まれたんだって。詳しいことは訊けなかったんだけど』
僕の考えは間違っていた。
山咲さんは、人をどうやって愛せばいいのかわからないようだった。
僕は、ただ一言。
『なるほど。確かに、山咲さんは悪くないね』
僕は詩音さんにメッセージを送って満足すると、鞄からパソコンを取り出し机の上に置く。
次のコンテストの締め切りまで残り一カ月ほどしかなく、必要な文字数もかなり多いため、僕は爆速で小説を書かなければならない。
しばらく集中して小説を書いていると、スマホが音を鳴らす。
詩音さんからメッセージが返ってきたらしかった。
『うん。私もそう思ったから、私はこれまで通り春香と関わることにした。文也くんは、どうする? 確か、人を怖がらないようになりたいって言ってたよね』
それはつまり、山咲さんで人に慣れようということだろうか。
しかし、僕はさすがに、僕と詩音さんへのいじめを始めた張本人を簡単には信用できなさそうだった。
その旨を告げるメッセージを詩音さんに送信すると、すぐに返信が返ってくる。
『春香の信用性は、私が保証するから』
詩音さんにそう言われると、詩音さんの顔を立てるためにも山咲さんと会ってみようかという気にさせられる。
僕がそのように答えると、またもや一瞬で返信が返ってくる。
『それじゃあ、コンテストが締め切った後にでも三人で海の近くのショッピングモール行こうよ』
そう言われて思い浮かぶのが、詩音さんと一緒に水族館へ行った翌日のこと。
自転車で海を見に行ったとき見えたショッピングモールだった。
確か詩音さんは、よく山咲さんと一緒にそこへ行っていたと言っていた。
詩音さんもいるし、時期的にもコンテストが終わった後だし、問題はなさそうだと思い僕は気軽にその約束を請けた。
僕は執筆するためにパソコンを取り出すより早くLINEを開き、詩音さんからのメッセージを確認する。
『結論から言うと、やっぱり春香は悪くなかったみたい』
一文目に綴られていたその言葉を確認して、僕はほっと安堵の息を吐く。
だがそれ以降にも長い文章が続いていて、読む気を少し失いながらも詳細を確認する。
『春香が私たちに嫌がらせし始めたのは、歪んだ愛って感じっぽい。私と文也くんが出会って、遊園地に行ったことがあったと思うんだけど、その時に私はお金を使いすぎちゃって、しばらく春香たちと遊びに行くのを自重してたんだよね。そうしたら、どうやら私が文也くんに取られたみたいに感じちゃったらしくて、文也くんに嫌がらせして私から離れさせようとしたんだって。でも文也くんは全然動じないし、私から離れる様子もなくって、しかも私が文也くんを庇い始めたから、自分に振り向いてくれない詩音なんていらないって思って私にも嫌がらせし始めたらしいよ』
読み終わって第一に抱いた感想は、「山咲さん普通に悪いじゃん」だった。
しかしどうやら文章には続きがあったらしく、詩音さんからは次のメッセージが送信された。
『春香がこんな考え方になっちゃったのは、深い深い理由があるらしいの。春香は、両親に虐待されて、それが愛だって教え込まれたんだって。詳しいことは訊けなかったんだけど』
僕の考えは間違っていた。
山咲さんは、人をどうやって愛せばいいのかわからないようだった。
僕は、ただ一言。
『なるほど。確かに、山咲さんは悪くないね』
僕は詩音さんにメッセージを送って満足すると、鞄からパソコンを取り出し机の上に置く。
次のコンテストの締め切りまで残り一カ月ほどしかなく、必要な文字数もかなり多いため、僕は爆速で小説を書かなければならない。
しばらく集中して小説を書いていると、スマホが音を鳴らす。
詩音さんからメッセージが返ってきたらしかった。
『うん。私もそう思ったから、私はこれまで通り春香と関わることにした。文也くんは、どうする? 確か、人を怖がらないようになりたいって言ってたよね』
それはつまり、山咲さんで人に慣れようということだろうか。
しかし、僕はさすがに、僕と詩音さんへのいじめを始めた張本人を簡単には信用できなさそうだった。
その旨を告げるメッセージを詩音さんに送信すると、すぐに返信が返ってくる。
『春香の信用性は、私が保証するから』
詩音さんにそう言われると、詩音さんの顔を立てるためにも山咲さんと会ってみようかという気にさせられる。
僕がそのように答えると、またもや一瞬で返信が返ってくる。
『それじゃあ、コンテストが締め切った後にでも三人で海の近くのショッピングモール行こうよ』
そう言われて思い浮かぶのが、詩音さんと一緒に水族館へ行った翌日のこと。
自転車で海を見に行ったとき見えたショッピングモールだった。
確か詩音さんは、よく山咲さんと一緒にそこへ行っていたと言っていた。
詩音さんもいるし、時期的にもコンテストが終わった後だし、問題はなさそうだと思い僕は気軽にその約束を請けた。