「で、殿下! ここは陛下の寝殿です。困ります!」
未明の王宮で警備兵が異形と化したアントニオに叫ぶ。
アントニオは何も言わず、スラリと幽玄の王剣を引き抜いた。
「で、殿下! 何をなさるのです!」
フンッ!
後ずさりながら叫ぶ警備兵を真っ二つに叩き斬るアントニオ。
ひ、ひぃぃぃ!
逃げだしたもう一人の警備兵だったが、アントニオは瞬時に追いつくと背中から一刀両断に斬り捨てた。
グハァ!
「王族に意見するなど万死に値する!」
アントニオは不機嫌そうに血のしたたる刀身をビュッと振り、血を飛ばすとそのまま国王の寝室を目指した。
豪奢なインテリアの廊下を進み、ガン! と重厚な寝室のドアを蹴破ると、アントニオはのっしのっしと中へと入っていく。それはもはや魔物の襲撃そのものだった。
「な、何者だ!」
いきなりの未明の乱入に国王は飛び起き、短刀を身構える。
「父上、そろそろ隠居されて私に王位を継ぐというのはいかがでしょうか?」
アントニオは薄暗い室内で不気味に瞳を赤く光らせながら言った。
「な、何をいきなり……。おい! 誰かここに!!」
国王は後ずさりながら叫ぶ。
「無駄ですよ。寝殿には私と陛下しかおられませぬ。くっくっく……」
「お、お前……、どうした? 正気を失っとるのか?」
国王はアントニオの異様な雰囲気に気おされる。
「正気を失う? 逆ですよ。ようやく真実に気がついたのですよ、父上……」
幽玄の王剣をギラリと光らせながら、不気味な笑みを浮かべるアントニオ。
「し、真実?」
「最初からこうすればよかったんですよ」
アントニオは王剣を大きく振りかぶった。
「待て! 王位ならくれてやる。お前が国王だ! だから剣をしま……」
国王は必死に叫んだが、アントニオは王剣を全力で国王の肩口に叩き込んだ。
フンッ!
鈍い音と共に国王は一刀両断にされ、シーツを鮮血で染めながらベッドの上に倒れ落ちる。
グフッ……。
国王は痙攣しながら盛大に血を吐き、大きく見開かれた目からは光が失われていった。
「ふっ……、ふははは!」
アントニオは楽しそうに笑いながら、国王の顔に王剣をガスッと突き立てる。その目は真紅に輝き、もはや人間とはかけ離れてしまっている。
「これで俺が国王だ! グアッハッハッハー!」
寝室には魔物のようなアントニオの不気味な笑い声が響いた。
◇
寝殿の外には執事や侍従、護衛隊の兵士などが集まり、みんな不安そうな顔でざわざわとしていた。
ガン!
アントニオは意気揚々とドアを蹴りながら寝殿の外に出てくる。
魔法のランプに照らされた、筋肉むき出しで血だらけのアントニオを見て、集まった人たちはどよめき、後ずさる。
そんな恐怖に震える人たちを睥睨したアントニオはニヤリと笑い、野太い声で叫んだ。
「賊が入った! 首謀者はジェラルド。至急捕縛せよ!」
「へ、陛下は無事なのですか?」
護衛隊長は恐る恐るアントニオに切り出す。
「陛下はお隠れになられた。よって王位継承順位一位の俺が緊急に王権を獲得した。これからは国王と呼べ!」
ひ、ひぃぃ……。あ、あぁぁ……。
侍従たちは悲痛な声を上げ、泣き崩れた。
「お、恐れながら現場検証を進めたいのですが……」
明らかに異常な未明の襲撃に、護衛隊長はアントニオに進言する。
直後、アントニオの王剣がシュン! と風を切り、護衛隊長を一刀両断に切り裂いた。
キャァァァァ! うわぁぁぁ!
パニックになる一同。
「我は国王ぞ! 国王が『ジェラルドが犯人だ』と断定している。これ以上の捜査は不要! 直ちにジェラルドを捕縛せよ!!」
アントニオは王剣を高々と掲げ、叫ぶ。
もはや誰も何も言えない。皆、慌ててその場から逃げ出していった。
◇
日が昇り、緊急招集された五千人を超える王国軍は一斉に出撃を開始する。
「敵はOrangeパークにあり! 者ども、続けぃ!!」
王国一の名馬にまたがったアントニオは王剣を高々と掲げながら叫んだ。
兵士たちは、アントニオの目に光る怪しい赤い輝きに釈然としない思いを抱えながらも、命令に背くわけにもいかず、粛々と進軍をつづける。
石畳に刻まれる軍の足音は、まるで雷鳴のように市民の心を震わせ、街の空気は緊張で凍りついた。国王の突然の死と勃発した内戦のニュースは、SNSを介して瞬く間に拡散していく。市民たちは固く閉ざしたドアの向こうで恐怖に震えながら、SNS上で滝のように流れていく投稿を固唾を飲んで見守った。
未明の王宮で警備兵が異形と化したアントニオに叫ぶ。
アントニオは何も言わず、スラリと幽玄の王剣を引き抜いた。
「で、殿下! 何をなさるのです!」
フンッ!
後ずさりながら叫ぶ警備兵を真っ二つに叩き斬るアントニオ。
ひ、ひぃぃぃ!
逃げだしたもう一人の警備兵だったが、アントニオは瞬時に追いつくと背中から一刀両断に斬り捨てた。
グハァ!
「王族に意見するなど万死に値する!」
アントニオは不機嫌そうに血のしたたる刀身をビュッと振り、血を飛ばすとそのまま国王の寝室を目指した。
豪奢なインテリアの廊下を進み、ガン! と重厚な寝室のドアを蹴破ると、アントニオはのっしのっしと中へと入っていく。それはもはや魔物の襲撃そのものだった。
「な、何者だ!」
いきなりの未明の乱入に国王は飛び起き、短刀を身構える。
「父上、そろそろ隠居されて私に王位を継ぐというのはいかがでしょうか?」
アントニオは薄暗い室内で不気味に瞳を赤く光らせながら言った。
「な、何をいきなり……。おい! 誰かここに!!」
国王は後ずさりながら叫ぶ。
「無駄ですよ。寝殿には私と陛下しかおられませぬ。くっくっく……」
「お、お前……、どうした? 正気を失っとるのか?」
国王はアントニオの異様な雰囲気に気おされる。
「正気を失う? 逆ですよ。ようやく真実に気がついたのですよ、父上……」
幽玄の王剣をギラリと光らせながら、不気味な笑みを浮かべるアントニオ。
「し、真実?」
「最初からこうすればよかったんですよ」
アントニオは王剣を大きく振りかぶった。
「待て! 王位ならくれてやる。お前が国王だ! だから剣をしま……」
国王は必死に叫んだが、アントニオは王剣を全力で国王の肩口に叩き込んだ。
フンッ!
鈍い音と共に国王は一刀両断にされ、シーツを鮮血で染めながらベッドの上に倒れ落ちる。
グフッ……。
国王は痙攣しながら盛大に血を吐き、大きく見開かれた目からは光が失われていった。
「ふっ……、ふははは!」
アントニオは楽しそうに笑いながら、国王の顔に王剣をガスッと突き立てる。その目は真紅に輝き、もはや人間とはかけ離れてしまっている。
「これで俺が国王だ! グアッハッハッハー!」
寝室には魔物のようなアントニオの不気味な笑い声が響いた。
◇
寝殿の外には執事や侍従、護衛隊の兵士などが集まり、みんな不安そうな顔でざわざわとしていた。
ガン!
アントニオは意気揚々とドアを蹴りながら寝殿の外に出てくる。
魔法のランプに照らされた、筋肉むき出しで血だらけのアントニオを見て、集まった人たちはどよめき、後ずさる。
そんな恐怖に震える人たちを睥睨したアントニオはニヤリと笑い、野太い声で叫んだ。
「賊が入った! 首謀者はジェラルド。至急捕縛せよ!」
「へ、陛下は無事なのですか?」
護衛隊長は恐る恐るアントニオに切り出す。
「陛下はお隠れになられた。よって王位継承順位一位の俺が緊急に王権を獲得した。これからは国王と呼べ!」
ひ、ひぃぃ……。あ、あぁぁ……。
侍従たちは悲痛な声を上げ、泣き崩れた。
「お、恐れながら現場検証を進めたいのですが……」
明らかに異常な未明の襲撃に、護衛隊長はアントニオに進言する。
直後、アントニオの王剣がシュン! と風を切り、護衛隊長を一刀両断に切り裂いた。
キャァァァァ! うわぁぁぁ!
パニックになる一同。
「我は国王ぞ! 国王が『ジェラルドが犯人だ』と断定している。これ以上の捜査は不要! 直ちにジェラルドを捕縛せよ!!」
アントニオは王剣を高々と掲げ、叫ぶ。
もはや誰も何も言えない。皆、慌ててその場から逃げ出していった。
◇
日が昇り、緊急招集された五千人を超える王国軍は一斉に出撃を開始する。
「敵はOrangeパークにあり! 者ども、続けぃ!!」
王国一の名馬にまたがったアントニオは王剣を高々と掲げながら叫んだ。
兵士たちは、アントニオの目に光る怪しい赤い輝きに釈然としない思いを抱えながらも、命令に背くわけにもいかず、粛々と進軍をつづける。
石畳に刻まれる軍の足音は、まるで雷鳴のように市民の心を震わせ、街の空気は緊張で凍りついた。国王の突然の死と勃発した内戦のニュースは、SNSを介して瞬く間に拡散していく。市民たちは固く閉ざしたドアの向こうで恐怖に震えながら、SNS上で滝のように流れていく投稿を固唾を飲んで見守った。