「保護者の皆様は、これにて解散となります」
と、待機場所に集められていた保護者――彼もその一人だ――その群衆に向けて、声が掛けられた。
「こちらが出口です」
とスタッフは付け加える。
指差す先には、扉があった。扉というよりゲートだが。
どうやら、瞬間移動系の異能が施されているらしい。ゲートの向こうに東京駅のホームがある。
さらに、これは多分、ゲートを通ると、電車から降りてきた人のように見える設計になっているのではないだろうか。まあ、どうせ、そもそも駅は封鎖されているだろうが。国家権力を持ってして。
本当に凄いな。
そんなことを、彼は今更になって――この人工島の設計以上に――驚いているのだった。
彼は、
「多貫頑張れよ」
と息子に心の中で声援を送った。
そして、彼はゲートをくぐった。
そのゲートをくぐった者にインタビューをすれば、きっと
「着いた先は、東京駅ではなく、天国でした」とか
もしくは地獄でした、とか。
そんな答えが返ってくるだろう。
あの世なんて言い方もあるかもしれない。
まあ、インタビューが出来れば、だが。
と、待機場所に集められていた保護者――彼もその一人だ――その群衆に向けて、声が掛けられた。
「こちらが出口です」
とスタッフは付け加える。
指差す先には、扉があった。扉というよりゲートだが。
どうやら、瞬間移動系の異能が施されているらしい。ゲートの向こうに東京駅のホームがある。
さらに、これは多分、ゲートを通ると、電車から降りてきた人のように見える設計になっているのではないだろうか。まあ、どうせ、そもそも駅は封鎖されているだろうが。国家権力を持ってして。
本当に凄いな。
そんなことを、彼は今更になって――この人工島の設計以上に――驚いているのだった。
彼は、
「多貫頑張れよ」
と息子に心の中で声援を送った。
そして、彼はゲートをくぐった。
そのゲートをくぐった者にインタビューをすれば、きっと
「着いた先は、東京駅ではなく、天国でした」とか
もしくは地獄でした、とか。
そんな答えが返ってくるだろう。
あの世なんて言い方もあるかもしれない。
まあ、インタビューが出来れば、だが。