周はなぜか三人にこだわるけど、あたしはいつだって邪魔者だ。
 もう周と友梨の優しい笑顔を、子どものころの姿を思い出せない。

「ねえ、もし周静に何かあったら助けてくれるんでしょ」

 耳を疑う言葉に視線を向けると、意外にも友梨は落ち込んだ表情を浮かべていた。

「一花が言ったんじゃない。ひとりにしないでって。だから私はずっと我慢してた」

 野球部で見た友梨の面影はどこにもなく、凪いだ表情であたしに話す友梨を見つめる。

「…一花、野球部に戻ってきてよ。そうしたら周静も私も怒らないし、許してあげるから」

 あたしは塩尾瀬のおかげで、喉奥に絡まっていた欠片をひとつずつ取り出せるようになった。ほんの少し勇気が湧いてきたら、本音を零すのも怖くない。

「あたし、塩尾瀬と園芸部にいたいの」

 その本音は友梨にとって不快だったようで、何も言わずに前を向いてしまった。