「浅咲は図書館とか似合いそう」
「…最近本読んでないなぁ」
でもどちらかと言えば、にぎやかなところより静かな場所で働きたい。
「なんか資格とかなくても働けるのかな」
「求人サイトで見かけるくらいだし、資格なくても働けると思うけどな」
塩尾瀬の横顔を見ているうちに駄菓子屋に着いた。
アイスクーラーに入ったアイスを見つめて、とりあえずソーダ味にしてみる。塩尾瀬はバニラアイスを選んだ。
おばあちゃんから持たされていたお金を出そうとする前に、塩尾瀬があっさりと払ってしまった。
「あ、ありがとう。いいの?」
「うん。ここが知れてよかった」
遠慮なく、とアイスの封を開ける。
店番をしていたおばあさんはあたしを見ても何も言ってこなかった。それにほっとしながら、雑貨屋を目指して歩きはじめた。