それから一週間後。
不良が暴れたことやあたしが人質になったことはニュースにはならず、あたしの町でちょっと噂になるくらいだった。
あたしがいじめられていたときの噂は一瞬で広まったし、何ならおばあちゃんの家まで押しかけてきたのに。
不良とは関わりたくないのか、単に興味がないのかはわからないけどほっといてくれて助かった。
嬉しいことにおばあちゃんが退院して、介護施設には入らず、家に帰ってきてくれた。
しかも久しぶりにお弁当を作ってくれたので、お昼が楽しみだ。
それから周がギプスを腕に巻いて登校した。
クラスの子は変わり果てた周の姿に動揺していたけど、果敢にも聞きに行ったのは友梨だけだ。
「友梨乃は? いつもこの時間来てるよね」
「周といたいんだって」
「アイツ本当に園芸部だったのか? 退部届しか見てねーけど」
お昼休みに茉莉と塩尾瀬の三人で裏庭に集まり、花壇を見下ろしながら呟く。