「この不良さんたち? 怖かったけど、周のケガのほうが…」 「いや、俺のことなんだけど」 「え、塩尾瀬? 全然…、むしろ颯爽と駆けつけてくれて王子様だと思ったよ」 「ふうん」 「おい、俺を挟んでいちゃつくなよ…」 げんなりした声を零した周は、その場に屈んだ。背中を擦ってみると「いてえやめろバカ」と怒られる。 「一花、あのな普通はケンカ慣れしてないと数分で七人も倒せないんだよ」 「周も無理なの?」 「は? 余裕だけどなんだよ」 「余裕じゃないから浅咲を人質にされたんだろ」