周の肩を塩尾瀬と一緒に支えながら外に出ると、確かに不良は全員地面に横たわっていた。
「これ…塩尾瀬が怒られない?」
「的確に急所殴ったし、証拠が残らない傷に留めたから」
「何となく雰囲気でわかってたけど、お前元ヤンか」
「浅咲には言ったと思うけど」
あたしが見た三台のバイクと知らない二台のバイクは、もう二度と乗れないんじゃないかと思うほどボロボロだった。
色んな部品が飛び出ているし、重要そうな部分が破壊されてる。
一台だけ新品同様に綺麗なのは塩尾瀬のお父さんのバイクだろうか。
「そうだっけ…、何か言われてた気もする。でも助けてくれてありがとう!」
「怖くないの?」
周を挟んでこちらを見つめる塩尾瀬に首を傾げた。