その相手が塩尾瀬だと気付いて、ホッとすべきか妬いてもいいのか悩んだ。

「のどかさんにお礼言わないと…、えっ待って。外のひとは? 七人の方は?」
「伸したけど知り合い?」
「のし…? ううん、全然知らないひと…」
「コイツは殴っていいの?」

 塩尾瀬の視線を辿ると意識を失ってる周が目に飛び込んできた。

「え、周! もしかして死んで!?」
「いや、生きてるよ。寝息も聞こえるし」
「よかった……、あ、腕骨折してるみたいで…」

 周の袖を捲った塩尾瀬は「確かに」と頷いた。あたしも見てみると、赤黒く変色していて、殴られたような痣が見える。

「ハハ、前の俺とおそろいだ」
「おい…聞こえてるんだけどよ」
「あ、周っ…よかった、生きてて」
「殺すな」