「ハナダ、次はこの子と一緒に来てよ」
「ハ? やなこった」
「また脅せばついてくるかな」

 色んな意味で疲れ切ったと言わんばかりに周が隣に座った。
 ぐいぐいと真崎さんがキスした頬を周のシャツで拭われる。痛いと言っても無視された。
 しばらくして満足したのか片手であたしを抱き寄せると、その体の熱さに気付く。

「え、周アツッ!? 熱ある!」
「一花…お前腰抜けてんだろ。もう大人しくしとけよ…」
「それあたしのセリフ!」

 扉のほうを見た真崎さんが立ち上がる。
 いつの間にか七人の声が聞こえず、扉の向こうは静寂を保っていた。

「来る」
「え、なにっ…」

 腰を屈めて姿勢を変えた真崎さんは、大きな音を立てて吹き飛んだ扉を気にせずに腕を振り上げる。