周も体を強張らせてあたしを後ろに押す。
その拍子に尻もちをつくと、男のひとたちから「色気のねーパンツ」と言われた。
「おい、お前いけんのか? いままで誰にも興味示したことねーのに」
「頭の色変えたら趣味も変わったのかよ」
下品な笑い声が続く中、周は腕を縛られたまま体勢を整えた。
―もしかして噛みつくつもり? だったらあたしも力にならないと周が危ないかも。何かあたしにも武器があれば…。
きょろきょろとあちこちを見渡す。テーブルや椅子はあるけど、男のひとたちが使ってるし、なるべく距離を縮めたくない。
室内はあんまり広くないから家具も少ない。廃材が遠くに転がってるけど、男のひとたちが持ってる鉄パイプのほうが威力が凄そうだ。