机を挟んだ向こう側でおばあちゃんがうつむいた。
あたしの問いに答えを持っていないから、どう話したらいいのかわからないんだろう。
「……ごめん」
おばあちゃんには笑っていてほしいのに。あたしの唯一の味方なのに、悲しませてばっかりだ。
「おばあちゃんに教えて。きょうは学校でどんなことがあったのか…」
あたしがいじめられていることを、おばあちゃんは知らない。
座布団に座って、おばあちゃんと話をするたびにあたしの心はどんどんひび割れていく。
「…友達と東京に遊びに行きたいね、とか」
「いいじゃない、東京で遊んできたら。お金の心配はしなくていいのよ。一花ちゃんにはお年玉どころかお小遣いも渡せてないから…」
「ううん、その、結局みんな言うだけ言って遊びに行かないから。それから授業で名指しされて答えたり…」