「アイツアササキだって」
「やっぱハナダの女か?」
「もうひとりの女は二十代いってるだろ」

 鳥肌がたった腕を摩りながら裏口に向かう途中、すれ違ったのどかさんが心配そうに見た。

「あのひとたちは気にしなくていいわよ。こっちは悪くないのにストレス発散で嫌味言ってくるお客様もいるから」
「はい、ただ…嫌な予感がして」

 誰かが来店したのか、店内のベルが鳴り響く。
 あたしは裏口に行かず、来た道を戻った。

「杉枝さん、お客様は…」
「ああ、いま帰ったところですよ」
「そうだったんですね。休憩行ってきます」
「どうぞごゆっくり」

 先に裏口で待ってるのどかさんのもとに向かうと、あたしは扉の先で待ち構えていた光景に目を見開いた。