あたしがエプロンにつけていたテントウムシのヘアピンに気付いたのどかさんが、近くでじっくりと見つめた。
「しかもガラスで出来てるじゃない。高いわよ」
「えっ、知らなかったです」
「ガラスで出来てることにも気づかないって、鈍すぎるわよ…」
そう言いながらのどかさんはサンドイッチを作る作業に戻った。
ゆで卵を潰してマヨネーズと和えたそれはとびっきり美味しいのだ。
「またサンドイッチ食べたいです」
「休憩中に作るわ。そんなに美味しい?」
「とっても!」
「そう…」
照れたようにそっぽを向くのどかさん。あたしはコッペパンにウインナーを挟むと、その五人が座る席の近くを通った。