夏の暑さが残る深夜。おばあちゃんの家で眠っていたあたしはバイクの音で目覚めた。
障子の向こうで笑い声が響いてる。門があるから侵入してこないとわかっていても、大勢の気配があたしを震えさせた。
―おい、アイツの家見つかったか?
―いや…名前しか聞いてねえから。
―まさか父親がサツとはな。うかつだった…。
まばゆい光とともにバイクが立ち去って行くと、客間で眠っていたお母さんが襖を開けた。
「大丈夫?」
「お母さん…、夏休みだけじゃなかったの?」
「ええ…、そうみたいね。しばらくはお母さんこっちの家に帰るようにするわ」
その日はお母さんが隣で眠ってくれたので安眠できた。